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2007.07.04 Wednesday  | - | - | 

『ハルカ・エイティ』 姫野カオルコ 文藝春秋 (chiekoa)

4163243402ハルカ・エイティ
姫野 カオルコ
文藝春秋 2005-10-14

戦前、戦中、戦後をごく平凡に、だが常に前向きに生きたひとりの女性の物語。

読み終わって…というか、読んでいる間からずっと、なんてすばらしいんだ!と思っていました。もういろんな人に読んで!って勧めてまわりたいくらい。わたしもでこぽんさんの紹介で読みましたが、ほんとうにほんとうによかったので。もっとたくさんの人に読んでもらいなと思いました。

大正九年に生まれたハルカ。生まれて、育ち、学校に通い、結婚をして、戦争を体験し、子どもを生み育て…という彼女の半生が年代を追って丁寧に綴られていきます。読みながら自分の心も、ぴったりハルカの心に沿うようでした。

彼女が得にすばらしいことを成したとか、めちゃくちゃできた人間だったとか、そういうわけではありません。子どものころは親の名前の重さにプレッシャーを感じて苦しみ、女学生のころには淡い恋も体験し、結婚してからちょっと他の男の人と遊んだりし…ほんとうに市井のごくごく普通の人間です。でもそんな彼女の人生が、こんなに現在の私に響く、心を打つのです。なんと言ったらいいのか…うまく言えませんが。かっこいいのです。美しいのです。とても。

この物語にはもちろんハルカだけじゃなくて、彼女を取り巻く様々な人々がたくさん登場します。兄弟だったり舅姑だったり友達だったり…。みんな普通の人です。自分の人生を生きている普通の人です。でもみんなすごくかっこいいのです。普通に生きて、普通に暮らしている人々が、家族が、こんなにかっこいい。それはもう、うらやましくなってしまうくらいに。でも、私がかっこいいと思う彼らは、自分のことをかっこいいと思って生きているわけではないのです。それすら、私にはかっこよく思えました。きらきらして見えました。

便利なものなんて何もない時代。携帯電話も、洗濯機も、テレビだってそんなに普及しているわけではない時代。それどころか戦争まで体験したこの時代の人々が、平和で楽な現代に生きている私達より、よっぽど幸せそうに、楽しそうに見えるのはなぜでしょう。かっこよく見えるのはなぜでしょう。こんなふうに歳を重ねて生きていけたらなぁと、かけがえのない時間を積み重ねていければなぁと、素直にそう思えました。

ほんとうに、たくさんの人に読んでもらいたいなと思いました。読み終わって背筋がぴんと伸びました。すばらしい本でした。私はこの本図書館で借りましたが、買います。大好きな本になりました。絶賛!です。
2005.11.07 Monday 11:29 | comments(2) | trackbacks(0) | 

『エソラ vol.2』 伊坂幸太郎他 講談社 (chiekoa)

4061795740エソラvol.2
講談社 2005-06-26

エソラ vol.1に掲載された『魔王』の対にあたる作品です。

『魔王』の主人公だった安藤の弟の潤也と、その彼女だった詩織が、今回の主人公です。舞台は『魔王』から五年後。潤也と詩織は結婚し、仙台で暮らしていますが、そんな中「国民投票」が行われることになり…というひきつづき政治色の強い?作品です。前作では語られなかった結末めいたことも語られ、想像はしていたもののショックを受けました。

物語は詩織の視点から語られていきます。彼女は…なんというか「その他おおぜい」のうちの一人です。決して特別ではない、この世の中のどこにでもいる大多数。私自身がそうであるのと同様に…です。だから、彼女の考えていることは、なんだかそのまま自分の考えてることのようだし、彼女を「甘いなぁ」「バカっぽいなぁ」と思ったら、それはすなわち自分が甘くてバカっぽいというのを認めているのと同じことなのです。目に入る範囲の中だけ、ものすごく狭い世界で生きている詩織、私。そんな自分がわかっているから、恥ずかしくて。今、まさに総選挙の数日前というこの時期にこの作品を読んで、読んでいる間、ずっとそういう恥ずかしい、歯がゆい思いでいっぱいになりました。

『魔王』で描かれた「考えろ考えろ」と突き進んだ安藤の姿勢、そして『呼吸』で描かれる「考えない考えない」という世界。スピードも空気感も全くちがう、まさに対を成す作品です。

これは、ここで終わりにしてほしくありません。絶対続編を出して欲しいです。出さなきゃだめです!!この「エソラ」は不定期刊行とのことなので、vol.3がいつ出るのか、そこに掲載されるのか、そもそも刊行されるのかすら全然わかりませんが、絶対に読みたいと思います。
2005.09.09 Friday 11:21 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『エソラ vol.1』 伊坂幸太郎他 講談社 (chiekoa)

406179552X小説現代特別編集 エソラ [esora] Vol.1 2004.12
伊坂 幸太郎 吉田 修一 真鍋 昌平 他
講談社 2004-12-03

収録されている伊坂さんの「魔王」目当てに読みました。

よかった!すごくよかったです。やっぱり伊坂さん好きだぁ!と愛の告白みたいなことを思ってしまいました。私の中での伊坂さんベストランキングを考え直さねば…。衝撃でした。ほんとに、すごくよかったんです。

テーマはとても重いです。正直、伊坂さんがこういうものを書くとは思ってもみなかったので、驚きました。政治、外交、国際問題…そしてファシズム。日本という、この国の将来。勝手に「伊坂幸太郎、渾身の力作」という言葉が浮かんでしまいました。

もちろん「伊坂節」は健在です。(このテーマをこのカラーを失わずに書けるところがまずすごい。)登場人物たちも皆いい感じ。特に主人公・安藤さんの弟の潤也くんとその彼女の詩織ちゃん、最高です。(伊坂さんの書く「弟」はいつも絶品!)テンポよく進む会話。散りばめられたおもしろエピソード。途中何度も声に出して笑いがもれました。

でも、そんな中で、安藤が感じている不安、恐怖。そんなものがとてもリアルに伝わってきて、自分も怖くなりました。ありふれた日常の中に少しずつ忍び込んでくる狂気。誰もそれと気づかない間にいつの間にかそこにある。それがどれだけ怖いことかを、この物語はまざまざと目の前にみせつけてくれました。そして自分が漠然と「イヤだ」感じていたことは、でもどう伝えていいかわからなかったことは、言葉にすると、文字にするとこうなるんだ、ってこと。私は「彼ら」のようにならないって言える?怖いです。怖かったです。

とにかくこのお話は心にどっしり残ります。ズキリときました。だって、伊坂さんが書いているこの世界は、お話の中の世界じゃない、今、私たちが生きているこの世界なんですから。彼が憂えているのは「私たち」なんですから。

「でたらめでもいいから、自分の考えを信じて、対決するんだ。」
「今」これを読むことができて、よかったと思います。伊坂さんが、これを書いてくれて、よかったと思います。まだ、これを「怖い」と思えるうちに、読めてよかった。彼が教えてくれたことを、無駄にしないようにしなくっちゃ。

単行本化いつされるのかわかりませんが、図書館でも読めますので、伊坂ファンならぜひ!!
2005.09.06 Tuesday 15:26 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『リリィ、はちみつ色の夏』 スー・モンク・キッド 世界文化社 (chiekoa)

4418055142リリィ、はちみつ色の夏
スー・モンク・キッド 小川 高義
世界文化社 2005-06-18

1964年サウスカロライナ。母を亡くし、父と二人で暮らすリリィ。酷薄な父親にがまんがならず、家を飛び出したリリィを受け入れてくれたのは養蜂家の黒人姉妹でした。彼女たちを手伝いながらいっしょに暮らすようになったリリィは…。十四歳の少女の過ごした、ひと夏の物語です。

このタイトルと表紙を本屋で見かけてからずっと気になっていて、やっと読むことのできた本です。外を吹き抜ける風や、野を飛び回る虫たちの羽音、そんなものまでリアルに伝わってくるような…、読んでいるだけで、見たことも行った事もないそのサウスカロライナの大地の風景が目の前に浮かんでくるような…。ため息が出るほど秀逸ですばらしい描写を堪能しながら読みました。

でもこの物語は、このタイトルや表紙から連想されるほど、明るく暖かいだけの物語ではありません。十四歳の女の子の、心の中。親と子、白人と黒人、彼女をとりまく様々な環境。決していいだけのものではない、重苦しいその現実の中で、包み隠さず素直に語られる彼女の言葉に、頭をガツンとなぐられたような気持ちに何度もなりました。心が苦しくなりました。

「愛されたい、愛されたい、愛されたい」

行間からそんなリリィの声が聞こえてくるようで、胸が締め付けられました。そばに行って、抱きしめてあげたくなりました。それだけ彼女に感情移入しただけに、このラストは、読み終わってとてもほっとしました。自分もいっしょに救われたような気持ちになりました。これからも、彼女が愛に包まれて、まっすぐ顔を上げて人生を歩いていけますように…。

そして、この物語のもう一つのテーマでもある「宗教」というものの側面を、自分がきっと理解しきれていないことがとても残念でした。よくも悪くもいわゆる「日本人」なわたし…。

でもこれだけの重い内容を、決して重くなりすぎず、暗くなりすぎず読ませてくれるところが、この本の素晴らしいところだと思いました。
2005.08.29 Monday 18:45 | comments(3) | trackbacks(0) | 

「天使のナイフ」薬丸岳(眠り猫)

天使のナイフ
内容:4年前、13歳の少年たちに妻を殺された桧山貴志のもとに、犯人のうちの一人、沢村が殺されたとの連絡が入った。アリバイのない桧山に疑惑の目が向けられる。
沢村の、事件後の生活を調べ始めた桧山は、少年が自らの過ちを悔いていた事、「本当の贖罪をする」を言葉を残していた事を知らされる。
本当の贖罪とは何を意味するのか?
事件の裏側に潜んだ真実を求めて、桧山の、新たなる闘いの日々が始まった。
第51回江戸川乱歩賞受賞作。


序盤は、やや冗漫なテンポで進んで行きます。
少年犯罪をテーマにするには避けて通れない要素、触法少年の更生に関する記述が多いため、物語の方向性が見え辛くなっている、という印象が否めません。ところがこれらは、緻密に計算された伏線でした。

社会派ミステリでありながらも、謎解きの醍醐味も堪能できる秀作だと思います。
図書館を利用される方は、急いでご予約を!ジョギング
2005.08.15 Monday 05:48 | comments(0) | trackbacks(7) | 

『星の玉子さま』 森博嗣 文藝春秋  (chiekoa)

4163235507STAR EGG 星の玉子さま
森 博嗣
文藝春秋 2004-11-03

誰もいない星、ふたごの星、野球少年の星、孤独な少女の星。いろいろな星を訪ねて宇宙を旅する、玉子さんと愛犬ジュペリの物語です。

あの森博嗣さんが!絵本を!というわけで手にとってみました。
絵も森さんが書かれているのですが、これがまた上手!というか、ほんとうにかわいくてステキなのです。びっくりしました!(スイマセン。)

巻末には、それぞれの星についての「解説」がついています。そこまで読むと「やっぱり森さんらしいなぁ」とにこにこしてしまいました。そしてもう一度絵に戻って考えてみたくなりました。絵本をひっくり返したり、横にしてみたり。何度でも読んでみたくなりました。そう、宇宙には上下なんてないのです。

一つの星に着くたびに、玉子さんは「どうして?」と考えます。私もいっしょに「どうして?」と考えます。難しいことじゃない、とても素朴な疑問たちです。
「考えましょう。あなたにできることを。」
こんな薄い絵本ですが、何かを考えさせられること必至です。いろんな意味で心に残る絵本でした。大好きです。


【追記】
この本を、森さんはほんとうは0円で出したかったそうです。ここに詳しく書いてあります。これを読んでもっともっと大好きな絵本になりました。
「星の玉子さま」印税0の理由

そういう森さんの気持ちを、ちゃんと受け取りたいなと思います。
2005.07.22 Friday 16:36 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『この本が、世界に存在することに』 角田光代 メディアファクトリー (なな)



本をめぐる9つの物語。

角田さんの本に対する愛が感じられます。あとがきを読んだら角田さんもやっぱり本好きらしく、「小学校に上がる前に本との蜜月があった」らしい。大学を選ぶ時にも「小説家になりたくて」その学部を選んだらしい。

どの話も全部よかった。「旅する本」は同じ本と信じられないような出会いを何度もし、読むたびに違った印象を受ける話。やっぱり気に入った本は手元に持っておいたほうがいいんだって思った。「ミツザワ書店」のおばあさんが言った「だってあんた、開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんか、本しかないだろう」って言葉と「さがしもの」のこれまたおばあさんが言う「死ぬのなんかこわくない。死ぬことを想像するのがこわいんだ。いつだってそうさ、できごとより。考えのほうが何倍もこわいんだ」って
言葉、とても印象に残った。

本って読んですぐ忘れてしまうけど、どの話も忘れたくない。これは買うしかないのでしょうか?作り方もとても凝っていて、9話とあとがき、そえぞれ行間や上下のスペースが違っているのも面白い。一つだけ気に入らないのは本が空中に投げられている写真。この後下に落ちて「ばさっ」って音がするって想像すると耐えられない。
2005.07.21 Thursday 09:46 | comments(0) | trackbacks(1) | 

ご参加いただきました。

みなさん、こんばんは♪
新メンバーをご紹介いたします。
ななさん女です。

プロフィールとマイブログリストを設定させていただきました。
あとパスワードはこれからメール送信します。

ご参加ありがとうございます。

現在ご参加メンバー65名です拍手
2005.07.21 Thursday 00:32 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『ダウン・ツ・ヘヴン』  森博嗣 中央公論新社 (chiekoa)

4120036448ダウン・ツ・ヘヴン
森 博嗣
中央公論新社 2005-06

読み始めたとたんに、すうっとこの「世界」に心を持っていかれました。長い長い詩を読んだような…。この本は、うまく感想が書けません。どうこう感想を書くというよりは、ただ読んで味わうというか。ただ、この世界にひたるばかり。

この物語も主人公は「クサナギ」。時系列的には「スカイ・クロラ」の前で「ナ・バ・テア」の後です。「あれはどうなったんだ」とか「これはどうなるんだ」みたいな説明は相変わらず一切なし。突き放したような乾いた文章。でもそこが好き…。しかしもう一度前の二作を読み直さなければ…。頭の中がぐるぐる。この「カンナミ」は…?あぁ!

そして相変わらず素晴らしい装幀。この三冊が本棚にある幸せ。
全部で五巻の予定という噂を耳にしましたが、永遠に続いて欲しいです。
2005.07.12 Tuesday 12:25 | comments(2) | trackbacks(1) | 
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