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2007.07.04 Wednesday  | - | - | 

銀の犬(光原百合) ・・・ゆこりん


リネットに忠実だったはずのクーが、リネットののど笛を噛み裂いた!「クー」は「猛犬」を意味するが、その名の通りの犬だったのか?祓いの楽人(バルド)オシアンと連れのブランが知った真実とは?表題作を含む5編を収録。

いにしえの物語?ファンタジー?作者の描く世界は不思議な雰囲気を持っている。5編どの話にも登場する祓いの楽人オシアンと連れのブランは、竪琴を奏で、さまざまな思いを残し地上にさまよう魂を解き放つ。人の心は強くもあり脆くもあり・・・。そして時には、疑い、憎しみ、ねたみでゆがむこともある。どの話も悲しく切なかったが、ラストには救いがあった。オシアンとブランの物語はこれからも続くという。オシアンがなぜ声を失ったのか?その謎も解き明かされるときがきっと来るだろう。その時を楽しみに待っていたい。
2006.11.18 Saturday 15:19 | comments(0) | trackbacks(15) | 

風の墓碑銘(乃南アサ)・・・ゆこりん


アパートの解体工事現場から3体の白骨死体が!女刑事音道貴子はアパートの持ち主の老人に接触するが、その老人は何物かに撲殺されてしまう。音道は滝沢とコンビを組み事件の謎を追うが、意外な結末が待っていた。おなじみの音道貴子シリーズ。

作品の組み立て方がとてもしっかりとしていた。また、音道、滝沢、そのほかの登場人物たちもきっちりと描かれていて、作品自体を深みのある濃厚なものにしている。当人同士は最悪のコンビだと思っているが、周りの目からは絶妙のコンビに見える二人の微妙な関係。それにからむ音道、滝沢、それぞれが抱える私的な悩み。それらが作品をより面白くしている。殺人の動機には、音道と同じように私も怒りを覚えた。被害者や被害者の家族が哀れでならない。現代社会が抱える介護の問題などもおりまぜ、最初から最後まで読み手を飽きさせない。読みごたえがあるとても面白い作品だった。
2006.10.21 Saturday 20:56 | comments(0) | trackbacks(7) | 

四度目の氷河期(荻原浩)・・・ゆこりん


目の色も髪の色もみんなとは違う。外見も行動も人とは違うことを常に意識していたワタル。彼は、母親が教えてくれなかった父親について、驚くべき発見をする。そこから彼の新たな生き方が始まった・・・。一人の少年の成長の記録。

母が決して語らない父のこと。父親は誰か?思い当たったワタルは、その日から自分自身を変え始める。少しずつ成長するワタル。変わっていくのは体だけではない。心もしっかりと確実に成長していく。「人とは違う」「普通」、その線引きをする基準は何だろう?いや、そんなものは初めからないのだと思う。だれも明確にそのことを断言できる人はいないだろう。けれど、人はそういう線引きをしたがる。そのことから抜け出したワタル。人はこうして成長していくものだとあらためて思った。そうそう、作者の荻原さんの言いたいことは、83ページの3行目だそうなので、そちらもじっくりと・・・。タイトルに深く関係しています。
2006.10.20 Friday 17:14 | comments(0) | trackbacks(3) | 

女たちのジハード(篠田節子)・・・ゆこりん


「どんなにつらくたって負けない!」人からどんなことを言われてもどんなふうに扱われても、めげずに自分自身の幸せを追い求めた5人の女性の物語。直木賞受賞作品。

男女平等とは言うけれど、世の中まだまだ完全にそうはならない。長年OLをやっていれば、風当たりも強くなる。この作品に登場する5人の女性たちは、それぞれの幸せを求めて奔走する。どうすれば自分が幸せになれるのか?試行錯誤?紆余曲折?邪魔者扱いされても決してめげず、己の道を突き進む。作者は軽快なタッチで彼女たちの奮闘ぶりを描いている。まるで雑草のごとく、踏まれれば踏まれるほど彼女たちは強くなる。その姿は戦士そのものだ。さて、戦いののち彼女たちが勝ち取ったものは・・・?それぞれ全く違うけれど、どれもキラキラと輝いていた。読後もすっきり♪読み応えのある、楽しい作品だった。
2006.09.14 Thursday 20:27 | comments(0) | trackbacks(0) | 

殺人症候群(貫井徳郎)・・・ゆこりん


「なぜ、こんなにひどい殺され方をしなければならなかったのだろうか?」やり場のない深い悲しみ、そして相手を殺したいと思うほどの憎しみ。人を人とも思わない加害者を抹殺するのははたして悪か?さまざまな問題を投げかける、症候群シリーズ第3作。

未成年というだけで、精神を病んでいるというだけで、殺人を犯してもたいした罪には問われない。数年の後には社会復帰して、何食わぬ顔で普通の生活をする。そんな加害者の姿を見たら、被害者の家族はいったいどう思うのだろうか?まして、加害者側の人間に反省の色が見えないとしたら?おそらく憎しみでいっぱいになるに違いない。それは、相手を殺したいほどの憎しみかもしれない。「法が裁いてくれないのなら、自分の手で。」愛する家族を失った者がそう考えたとしても、それは無理のないことだ。この作品に登場する人たちの心に残る深い傷・・・。それを死ぬまで抱えなければならないつらさは想像を絶する。もし自分がその立場になったなら、「復讐のための殺人はいけない。」とは言えないだろう。何が悪で何が正義か?この作品が読者に問いかけるものは、あまりに大きすぎて重すぎる。とても深く考えさせられる作品だった。
2006.06.06 Tuesday 15:48 | comments(0) | trackbacks(0) | 

讃歌(篠田節子) ・・・ゆこりん


かつての天才少女ヴァイオリニスト柳原園子。彼女は30年近く音楽から遠ざかっていたが、現在はヴィオリストとして人々の心に深い感動を与えていた。彼女の栄光と挫折そして再生を描いたテレビ番組は大反響を巻き起こす。だが、それははたして真実だったのか?

何がどうなるべきだったのか?何がいけなかったのか?柳原園子の半生を描いた番組は、事態を思わぬ方向に向け始める。どこまでが真実でどこまでが虚偽か?いや、もともとそういうものはなかったのかもしれない。人々の解釈の仕方、思惑、そして時には感情までが、たった一つしかない真実を多種多様に変化させたのではないだろうか。毀誉褒貶の嵐の中、園子は何を思っていたのだろう?どんなものでもそれを「極める」ということは容易なことではない。好きとか、愛しているだけでは乗り越えられない壁がある。そのことに気づいたとき園子は・・・・。とても切ない作品だった。
2006.06.05 Monday 16:57 | comments(0) | trackbacks(1) | 

陽気なギャングの日常と襲撃(伊坂幸太郎)・・・ゆこりん


スリが得意な男、ウソを見抜く男、正確な体内時計を持つ女、演説好きな男。相変わらずの4人組。彼らの日常生活の中にも、スリリングな出来事があった。おなじみの4人の日常の様子は?そして周囲で巻き起こる出来事とは?「陽気なギャングが地球を回す」の続編ともいえる作品。

短編のようで短編ではない。独立した話のようでそうではない。それぞれの話が微妙にリンクしているところがある。作者得意の手法だ。今回も起こる出来事はけっこう深刻なものが多い。だが4人なら何とか解決してくれるだろうという安心した気持ちで読んだ。彼らのチームワークは抜群。そして、飄々とした外見からは想像も出来ないほどの洞察力。充分に作品を楽しんだ。できるなら、また4人に別の作品で会いたいものだ。作者にぜひお願いしたい。
2006.05.25 Thursday 20:46 | comments(0) | trackbacks(3) | 

墜落現場 遺された人たち(飯塚訓) ・・・ゆこりん


1985年8月12日。羽田発大阪行きの日航機123便が御巣鷹山に墜落、乗員乗客520人が死亡した。この世界に類を見ない大事故の混乱を極める現場の様子、そして遺された人たちの様子を描いた作品。

同じ著者による「墜落遺体」を読んだときの衝撃は今でも忘れない。今回読んだこの作品も、私にはすごい衝撃だった。遺された家族の悲しみ、事故後の処理に当たる人たちの混乱や苦悩がひしひしと伝わってくる。遺された家族の心の傷もひどかったと思うが、事故現場で働く人たちの心にも大きな傷が残ったと思う。人の命が、こんなふうに断ち切られていいのか!あんな無残な最期を迎えなければならなかったのはなぜか?改めて悲しみと怒りがこみ上げてくる。この墜落事故を決して忘れてはならない。航空会社に、よりいっそうの安全性を求めたい。
2006.05.20 Saturday 11:20 | comments(0) | trackbacks(0) | 

終末のフール(伊坂幸太郎)・・・ゆこりん


地球に小惑星が衝突する。その運命の日は刻々と迫っている。どこにも逃げ場がなく運命を受け入れなければならなくなったとき、人は何を考えどう生きていこうとするのか?

毎日の平凡な生活があと何年か後には失われてしまう。終わりが見えている人生。自暴自棄になる人、耐え切れずに自ら死を選ぶ人、他人を襲う人。架空の物語なのだけれど、読んでいて背筋がぞくっとなった。人類最期のときまで、いったい何をすべきなのか?いつもの日常が断ち切られるなんて想像もできないけれど、実際にこういうことが起こったら、私も耐えられなくなるかもしれない。この絶望的な状況の中でいつもの生活を送ろうとする人が、とても強く見える。確実な未来なんてない。そのことに気づかされるこの作品が、とても重く感じた。
2006.05.10 Wednesday 16:56 | comments(0) | trackbacks(5) | 

Presents(角田光代) ・・・ゆこりん


贈ったもの、贈られたもの、そこには忘れられない大切な思い出がある。プレゼントにまつわる12の作品を収録。

作者が言うように、プレゼントを贈るより贈られるほうが、はるかに多い。それは、形があるものやないものさまざまだ。何気ないプレゼントが、その人の考え方や人生を変えてしまうこともある。この中におさめられている作品の一つ一つが、心地よい温もりを読み手に与えてくれる。特に「鍋セット」と「涙」は印象深かった。この本の絵を担当している松尾たいこさんはあとがきで、生まれてから最初にもらう大切なプレゼントは「名前」だと書いている。その通りだと思う。でも私は、生まれる前にもうすでに大切なものを両親から贈られていると思う。それは「命」。これこそが究極のプレゼントではないだろうか。
2006.04.24 Monday 16:46 | comments(0) | trackbacks(1) | 
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