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My Recommend Books !みなさんのオススメの本を熱く語り合いましょう!
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空飛ぶタイヤ(池井戸潤)・・・ゆこりん
脱落したトレーラーのタイヤに直撃された主婦が亡くなった!運送会社の社長赤松の衝撃は大きかった。トレーラーの製造元ホープ自動車は、赤松運送の整備不良が原因だという結論を下すが、納得できない赤松は独自に調べ始めた。浮かび上がってきたのは、ホープ自動車の驚くべき真の姿だった・・・。 読んでいて腹立たしかった。大企業とはこんなものなのか。人が犠牲になっても、決してその責任を認めようとはしない。考えることは、保身や、自分のプライドのことばかり。自分たちにとって不利益なものは徹底して隠そうとする。そのやり方は、悪質で卑劣だ。消費者の信頼があったからこそ、会社が大きくなってきたのではないのか?そのことを忘れ、消費者のことなどどうでもいいと思ったとき、企業は手痛いしっぺ返しをくらう。消費者をなめるな!そう叫びたい。孤軍奮闘の赤松。事故のことが原因で子供たちもいじめにあう。会社も倒産の危機に。だが、決してあきらめずに突き進む姿は感動的だった。家族や仲間の絆も、読み手の胸を熱くさせる。ラストもよかった。一人でも多くの人に読んでもらいたいと思う作品だった。オススメ!
『スコーレNo.4』 宮下 奈都 光文社 (chiekoa)
アンソロジー「コイノカオリ」や「エソラ」で見かけてずっと気になっていた、宮下奈都さんの単行本がついに出ました!しかも書き下ろし長編です。うれしいです。装丁もステキで、うれしくなってしまいます。表紙も裏表紙も、じっくり見てしまいました。 スコーレっていうのは、 ギリシャ語でスクール(school)の語源だそうです。でもこの本で描かれているのは、いわゆる入学して卒業するあの「学校」だけじゃありません。何かを、学ぶ場所。ものごとを知る場所。それは家庭だったり、職場だったり。場所だけじゃありません、人から学ぶことだって、たくさんたくさんある。 この本は、そういう場所や人々を通じて成長していく、一人の女性の物語です。小さなときは、両親や家族や兄弟がその世界の全てだった少女が、だんだんに時を重ねるにつれて、広い世界で様々なことを知っていく。自分自身ですら気づいていなかった、「自分」を知っていく…。その過程が、落ち着いた静かなテンポで語られていきます。 主人公は、骨董品店の三人姉妹の長女として生まれた麻子。何かに「執着」するということ、何かを「愛す」ということ、強い気持ちで何かを「欲しい」と思うこと。それができないと思っている自分自身の、その頑なさや、抱えている寂しさ。「寂しい」という言葉を彼女が直接使うわけではないけれど、でも、なんとなく、こう、わかる気がするというか、染みてくるというか、麻子の感じている「気持ち」が伝わってきました。読んでいて、胸がしくしくしました。もうちょっと、自分を好きでいていいんだよ、そんなふうに思わなくていいんだよって、何度も思いました。 だから、この物語のこのラスト、とってもとっても、うれしかったです。私の心にも、何か新しいものが芽生えたみたいな気持ちになれました。笑顔になれました。正直、読んでいる最中に、自分がラストでこういう気持ちになるって予想をしていなかったので、びっくりしました、いい意味で。 「スコーレNo.4」、麻子にとってのそれは、何だったのかな。私にとってのそれは、何なのかな。そんなことに思いを馳せました。これからだって、きっとまだまだ…。オススメです。
モノレールねこ(加納朋子)・・・ゆこりん
だらんとして、まるでスライムみたいなねこ。あまったお肉が塀の上で垂れ下がっているところは、モノレールそっくり!そんなモノレールねこの赤い首輪に手紙をはさみ、見知らぬ相手との文通が始まった。はたして結末は?表題作を含む8編を収録。 どの話も心温まるものだった。読後も余韻が残る。特に好きな作品は「モノレールねこ」「パズルの中の犬」「ポトスの樹」「バルタン最期の日」だった。「モノレールねこ」では、ねこを通して文通する二人の、その後の結末に思わずほほえんだ。「パズルの中の犬」では、人が心の中に抱え込んでいる思いに、ため息をついた。「ポトスの樹」では、家族の温かさを感じた。そして「バルタン最期の日」では、笑いの中にもちょっぴりの切なさを感じた。短編集だとどうしても好きな話とあまりそうではない話があるものなのだけれど、この作品の中の話はどれもほんわかしていて好きだった。8編に共通するのは家族への思い。作者はていねいにやさしく、いつくしみながら描いている。手元に置いて、何度でも読み返したい!・・・そんなステキな作品だった。
5000年前の男(コンラート・シュピンドラー)・・・ゆこりん
1991年9月、解けた氷河の中から驚くべきものが現れた。5000年前の男性のミイラだった。長い時を経て、彼はいったい我々に何を語りかけるのか?発見から調査までを詳しくリポートした作品。 アイスマンと呼ばれる、発見されたミイラから分かることは数知れない。彼はどのように生活していたのか?どんな道具を使っていたのか?どんな服装をしていたのか?持ち物からも、当時の環境が明らかになってきた。普通の生活の果ての死。それは死んだ後にミイラにされたものが発見されるのとは全く違う様子を示している。読めば読むほど興味深い。この本が出版されてからけっこう年月がたっている。まだまだ多くの発見があったに違いない。この本のその後もぜひ調べたいと思っている。
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