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2007.07.04 Wednesday  | - | - | 

中庭の出来事(恩田陸)・・・ゆこりん


あるホテルの中庭で、脚本家が謎の死を遂げた。毒による死。自殺か他殺か?他殺だとしたら、誰がいったいどうやって毒を彼に飲ませたのか?舞台の幕が今上がった!

誰でも自分を演じている。私自身もそうだろう。時には娘、時には母、そして時には主婦。その時その時、その場に応じた役を演じている。人はだれでも、自分という役を演じる役者なのかもしれない。
この作品、どこまでが芝居で、どこまでが現実か?劇中劇はどこまでなのか?線引きできないほど混沌とした独特の世界がある。一度読んだだけでは絶対に理解することができない。読み進んでは戻り、読み進んでは戻り、何度も繰り返した。読後も、もう一度最初から目を通した。それでも、まだ納得できない部分がある。いったい何度読めば理解できるのか?読めば読むほど混乱するだけなのか?恩田陸の世界は私を魅了する。読むたびに違う顔を見せる不思議な、そして深い作品だった。
2006.12.19 Tuesday 17:44 | comments(0) | trackbacks(3) | 

ひまわり探偵局(濱岡稔)・・・ゆこりん


一投資家から身を起こし、兜町の狼とまで言われた風雲児加賀美喬生。彼の死後見つかったメモに書かれたメッセージは何を意味するのか?ひまわり探偵局の探偵陽向万象(ひなたまんぞう)の推理が光る!「伝言ーさよなら風雲児」など、4編を収録。

すべてが、考え抜かれた緻密な謎解きで構成されている。特に「伝言ーさよなら風雲児」は、その緻密さに驚かされる。かなりの知識がなければこれほどまで書けないだろう。逆に言うと、読み手にもそれ相応の知識が必要とされる。ちょっと凝りすぎではないかと感じる部分もあったが・・・。ここに収められているどの話にも、作者の優しさが感じられる。決して戻らぬ過去の日々。届かぬ思い。涙する人たちに向けられた作者の温かなまなざしが、読み手にも伝わってくる。心がほんわかしてくる作品だった。
2006.12.06 Wednesday 17:49 | comments(0) | trackbacks(1) | 

『十一月の扉』 高楼方子 新潮社 (chiekoa)

4101298718十一月の扉
高楼 方子
新潮社 2006-10

双眼鏡で外を覗いていて、偶然素敵な洋館「十一月荘」を見つけた中学二年の爽子。転勤で引越しが決まっていた家族を説き伏せ、転校前の数週間だけ十一月荘に下宿することになった爽子は…。

うわー、すごくいい本でした。すてきな本でした。すごくいい本でした。すごくすてきな本でした。書きすぎ?でも…ほんとにすごくいい本だったんです。

本屋さんで見かけて、なんだかこの本が私を呼んでいる気がする…と思いつつ、読んだことのない作家さんだし、と躊躇すること約1ヶ月。でもこのタイトルなんだから11月中に買わねば!と思いたち、ぎりぎり11月最終日に買って、その日のうちに読みました。読んで、1ヶ月もこの呼ぶ声を無視していた自分を…バカだ!と思いました。

主人公は中学二年生の女の子・爽子。2ヶ月の間だけ「十一月荘」で暮らすようになった女の子。彼女と、彼女をとりまくほかの住人たちのあたたかい交流、そして、彼女が手に入れた一冊のノートに書き綴る『ドードー森の物語』…。この本の中で語られる爽子の心の動き、そしてその健やかさに、心が洗われたようになりました。いい年して、こんなずーっと年下の女の子に…って思われるかもしれませんが、私はすごく爽子に励まされました。バカみたいに単純だけど、「未来はきっと明るい」って、信じる力をもらいました。

たくさん、たくさん、たくさんの大人に、そしてやっぱり何よりも今大変な思いをしている子供たちに、読んで欲しいなぁと思います。
2006.12.01 Friday 16:28 | comments(0) | trackbacks(1) | 
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