<< November 2006 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
おひとり1カ月7作品まで

ご自身のアフィリエイトOKです

にほんブログ村 本ブログへ

スポンサーサイト

[ - ]

一定期間更新がないため広告を表示しています

2007.07.04 Wednesday  | - | - | 

配達あかずきん(大崎梢)・・・ゆこりん


美容院に配達した婦人誌「彩苑」の中に盗撮写真がはさまっていた。しかも、見たのは本人。誰がどうやって何のために?一方その婦人誌を配達した「ヒロちゃん」も、駅の階段から落ちてけがをした。二つの出来事の関連は?表題作を含む5編を収録。

書店を舞台にしたミステリーなんて今までになかったのではないだろうか。作者が書店の事情に精通しているだけあって、書店の様子の描き方が抜群によかった。ミステリーの謎解きもさることながら、目に見えない書店の裏の仕事も面白い。5編の話の中で、表題作も好きだが、印象に残ったのは「六冊目のメッセージ」だ。この話は本を好きな人にしか書けない話だ。ほのぼのとした心に残る温かさを持っている。「パンダは囁く」は意外性があったし、「標野にて、君が袖振る」はちょっと切なかった。本好きな人には見逃せない作品だと思う。
2006.11.26 Sunday 15:45 | comments(0) | trackbacks(289) | 

雨のち晴れ、ところにより虹(吉野万理子) ・・・ゆこりん


ホスピスに入っている剛志は、小学生のときに起こった衝撃的なできごとのせいでトラウマになっていた。夢を見てうなされる時も・・・。あのときのアヤはどこにいるのか?表題作を含む6編を収録。

つらくて心が重いと感じていても、ちょっと考え方やものの見方を変えるだけで、心が軽くなることがある。表題作に登場する剛志は不治の病。毎日、死を待つだけの生活を送っていた。しかし、ある日彼は前向きに生きようと決心する。剛志がトラウマになるほどのできごとを、アヤは今どう思っているのか?その真相にはあ然とし、そして次に起こる小さな奇跡にはボーゼン(?)とした(笑)。どの話も人生の応援歌のようだった。つらいときに読むと心がほっとする。ところで、おさめられている話のあちこちに登場する、ある人物の存在に気づきましたか?♪
2006.11.18 Saturday 15:26 | comments(0) | trackbacks(2) | 

銀の砂(柴田よしき) ・・・ゆこりん


娘妙子や珠美の恋人にまで手を出す藤子。一度は秘書をやめた珠美だったが、結局は離婚後に藤子と関わるようになってしまった。だが過去に恋人を藤子に奪われたという思いは強く残っていた。珠美の恋人はその後藤子とも別れ失踪する。失踪の背景には何が隠されているのだろうか・・・。

最初はどろどろとした人間関係の話かと思ったのだが、後半はミステリーに・・・。登場人物一人一人が個性的で、その心理描写は恐ろしいまでに詳細に描かれている。人の心の中にうごめく得体の知れないもの。それは嫉妬、ねたみ、恨みが凝縮されたものなのだろうか?読んでいてぞっとするほどだった。独立したそれぞれの章で藤子や珠美の過去や現在の様子が語られる。そしてそれはラストの章へと見事につながっていく。読み応え充分!読後も満足感が残る作品だった。
2006.11.18 Saturday 15:21 | comments(0) | trackbacks(8) | 

銀の犬(光原百合) ・・・ゆこりん


リネットに忠実だったはずのクーが、リネットののど笛を噛み裂いた!「クー」は「猛犬」を意味するが、その名の通りの犬だったのか?祓いの楽人(バルド)オシアンと連れのブランが知った真実とは?表題作を含む5編を収録。

いにしえの物語?ファンタジー?作者の描く世界は不思議な雰囲気を持っている。5編どの話にも登場する祓いの楽人オシアンと連れのブランは、竪琴を奏で、さまざまな思いを残し地上にさまよう魂を解き放つ。人の心は強くもあり脆くもあり・・・。そして時には、疑い、憎しみ、ねたみでゆがむこともある。どの話も悲しく切なかったが、ラストには救いがあった。オシアンとブランの物語はこれからも続くという。オシアンがなぜ声を失ったのか?その謎も解き明かされるときがきっと来るだろう。その時を楽しみに待っていたい。
2006.11.18 Saturday 15:19 | comments(0) | trackbacks(15) | 
 | 1 / 1 PAGES |