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2007.07.04 Wednesday  | - | - | 

『初恋温泉』 吉田修一 集英社 (トラキチ)


吉田 修一 / 集英社(2006/06)
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<吉田作品は温泉につかる以上に効能効果があると感じる1冊>

いや〜、本当に巧いな吉田修一。
男女の機微や心のすれ違い、人間に潜む本質的な部分を語らせたら第一人者と言って過言ではないであろう。
たしかに、他の作家のようなメッセージ性は薄いかもしれないが、それが吉田作品のスタイルでもあるのだと思う。

吉田作品の特徴は、読んでいて“わかるわかるこの気持ち!”というように読者を必ず納得させてくれる部分。
平易でさりげない文章の中にも現代人の持つ倦怠感や不安な心理状態を鋭くあぶり出している。
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2006.08.18 Friday 23:23 | comments(0) | trackbacks(1) | 

『エバーグリーン』 豊島ミホ 双葉社 (トラキチ)


豊島 ミホ / 双葉社(2006/07)
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<豊島ミホお得意の普通で地味な若者を熱く描いている青春小説の決定版。>

注目している若手作家豊島ミホさんの待望の書き下ろし新刊。

舞台は雪の降り積もる地方の街。
主人公は中学3年生のシンとアヤコ。
第1章では中学校卒業の日に10年後の再会の約束をするまでが描かれている。

第2章以降は、その後別々の道を歩み始めた2人が、10年後に再会する予定の日の2カ月前からの心の動きが描かれる。

帯に“切なさにキュッとなる恋愛小説”とあるが、私はこの作品は恋愛小説の要素は極めて薄いと思う。
なぜなら別に恋人だったとかじゃなく、好きだと言い合ったわけでもなくただ単に、お互いが気になる存在だったのだから。
どちらかといえば青春小説のジャンルに分類すべきだと思う。
2人がお互いに持ち続けた10年間の想い、は青春時代しか味わうことが出来ないのである。
逆に言えば、好きなのに好きだと言えないほどシャイで純真な登場人物が眩しく感じるぐらいである。

本作は他の作家の恋愛小説のように、人を好きになる気持ちの大切さに力点を置いて描いたものではない。
それよりも自分のやりたいことや夢に向かってどのように生きているか。
そう、豊島ミホは読者と共に人生を模索できる作家なのである。
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2006.08.02 Wednesday 03:15 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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