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2007.07.04 Wednesday  | - | - | 

陽気なギャングの日常と襲撃(伊坂幸太郎)・・・ゆこりん


スリが得意な男、ウソを見抜く男、正確な体内時計を持つ女、演説好きな男。相変わらずの4人組。彼らの日常生活の中にも、スリリングな出来事があった。おなじみの4人の日常の様子は?そして周囲で巻き起こる出来事とは?「陽気なギャングが地球を回す」の続編ともいえる作品。

短編のようで短編ではない。独立した話のようでそうではない。それぞれの話が微妙にリンクしているところがある。作者得意の手法だ。今回も起こる出来事はけっこう深刻なものが多い。だが4人なら何とか解決してくれるだろうという安心した気持ちで読んだ。彼らのチームワークは抜群。そして、飄々とした外見からは想像も出来ないほどの洞察力。充分に作品を楽しんだ。できるなら、また4人に別の作品で会いたいものだ。作者にぜひお願いしたい。
2006.05.25 Thursday 20:46 | comments(0) | trackbacks(3) | 

カタブツ 沢村凜 講談社 (chiekoa)

4062124017カタブツ
沢村 凜
講談社 2004-07

出会ってはいけなかった二人が出会ってしまったら―「バクのみた夢」の他、「袋のカンガルー」「駅で待つ人」「とっさの場合」「マリッジブルー、マリングレー」「無言電話の向こう側」と、「カタブツ」達がおりなす様々な物語を収録した短編集です。

…大お気に入りです。大好きです。特に最初の「バクのみた夢」で、すいません、ものすごくツボにはまって号泣しました。すごい、すごいいい本でした。これは買いです!オススメです!

作者さんがあとがきで書いていらっしゃるように、そしてこのタイトルが示すように、「地味でまじめな人たち」が主人公のこの本。でも、各短編ごとに、手触りも、色も、読後感も違う。本当に全部同じ人が書いているの?「カタブツ」というテーマのアンソロジーだって言われても納得なくらいです。毎回毎回楽しめます(いや、楽しい!ってわけでもないんですけど…飽きさせないというか、意表をついてくるというか)。すごいなぁ。読んでから一日たちましたが、今各短編のタイトルみただけで、ちゃんと中身が浮かびますもん。(え?普通?私は普段だとできないんです、これが…)。

「バクのみた夢」
お互いに家庭を持っているのに、出会い、愛し合ってしまった道雄と沙緒里。誠実さゆえに配偶者をあざむきつづけることができなくなった二人が出した結論は…。

もう、ほんとに、ど真ん中ストライクだったのです。この物語。普通にど真ん中だったのに、さらにこのラストで駄目押しというか、満塁サヨナラホームランというか(比喩が変です)、この最後の一段落が…すばらしすぎます。脱帽、そして号泣。

「袋のカンガルー」
わがままで身勝手なのにほおっておけない亜子と、僕にとっての奇跡の女性・英恵。二人の間で僕は…。

これはまた、展開がすごくうまいなぁと。「亜子」この女性は誰だろう?何だろう?さんざんそう思わせておいて、気にさせておいて、いざ事実が明らかになったら急にぱったり彼女は物語の中に登場しなくなるのです。男女の駆け引きのように…やられました。この余韻をひきまくるラストにもうなりました。えぇ、どうなるの(泣)?私個人的には…彼は一生「彼のまま」だと思います…。

「駅で待つ人」
何であんなことをしたのかって?僕はただ見知らぬ駅にたたずんでいただけですよ…。

がらっと変わって、これは主人公の一人語りで話しが進んで行きます。「あんなこと」が何なのか…それは最後の最後に明らかになります。びっくりしました。そして、ちょっとこわくなりました。

「とっさの場合」
大切な大切な自分の息子。その息子が死ぬ夢を見て目覚めた私。そして今日も彼女が私のところにやってくる…。

「強迫神経症」がテーマです。真面目で頑張る人ほどかかりやすいというあれですね。私はたぶんそういうタイプではないのですが、でもこの主人公の「私」の語り口がリアルで、体験したこともないのに我が事のように心がざわざわしました…。このラストには、なんとなく救われた気がします。

「マリッジブルー、マリングレー」
結婚を目前にし、婚約者とともに彼女の実家のある土地を訪れた昌樹。初めてみるはずのその景色に、なぜか見覚えがあることに気付いた彼は…。

なんというかもうタイトルからして上手いですが。こちらはまたがらっと意匠を変えて、ミステリィタッチです。記憶のない二日間、自分はいったいどこで何をしていたのか…。そして解決したかと思いきや、のこのラスト。ぞくっとするなんてものじゃぁ…。ひー。

「無言電話の向こう側」
いつでも自信満々の親友・樽見。彼と俺・須磨陸とが出会い、そして親しくなったきっかけは…。

いいですー。すごくいいですー。ラストにこの短編が来て、なんかもう気分は最高、ありがとう、という感じです。(頭悪そうですいません)。「思い知らせてやる。おまえが誰も頼ろうとしなくても、友人とは、勝手におせっかいをする存在なのだと」。泣けてしかたありませんでした。


というわけで、この本がマイナーなことがもったいなくて仕方ありません。どうぞぜひお手にとって読んでみていただきたく。幸い図書館の予約待ちもほとんどないものと思われます!(うれしいような、悲しいような)。
2006.05.22 Monday 17:41 | comments(0) | trackbacks(2) | 

墜落現場 遺された人たち(飯塚訓) ・・・ゆこりん


1985年8月12日。羽田発大阪行きの日航機123便が御巣鷹山に墜落、乗員乗客520人が死亡した。この世界に類を見ない大事故の混乱を極める現場の様子、そして遺された人たちの様子を描いた作品。

同じ著者による「墜落遺体」を読んだときの衝撃は今でも忘れない。今回読んだこの作品も、私にはすごい衝撃だった。遺された家族の悲しみ、事故後の処理に当たる人たちの混乱や苦悩がひしひしと伝わってくる。遺された家族の心の傷もひどかったと思うが、事故現場で働く人たちの心にも大きな傷が残ったと思う。人の命が、こんなふうに断ち切られていいのか!あんな無残な最期を迎えなければならなかったのはなぜか?改めて悲しみと怒りがこみ上げてくる。この墜落事故を決して忘れてはならない。航空会社に、よりいっそうの安全性を求めたい。
2006.05.20 Saturday 11:20 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『強運の持ち主』 瀬尾まいこ 文藝春秋 (トラキチ)


瀬尾 まいこ / 文芸春秋(2006/05)
Amazonランキング:位
Amazonおすすめ度:


<読者の心の扉を開けてくれる1冊>
通彦に初めて会って占ったとき、彼が強運の持ち主であることはすぐにわかった。でも、ここまで見通すことはできなかった。四柱推命でも、姓名判断でも、自分が通彦を好きになることまでは予想できなかった。だけど、一日そばにいただけで、通彦とずっと一緒にいたいと思うようになることが明確にわかった。自分で踏み込まないと根本的なことは何もわからない。確かなことは直接触れないと知れないのだ。

何と13ヶ月ぶりの待ちに待った新刊。
瀬尾さん特有の歯切れのいい文章は健在である。
瀬尾さんお得意の“食べ物効果”も恋人通彦の雑な料理を通して微笑ましく描かれている。

どういう作品か瀬尾さん流に言うと・・・
“ちょっとした気持ちの持ち方次第で明日は開けるのだ。”
続きを読む >>
2006.05.19 Friday 02:50 | comments(0) | trackbacks(2) | 

終末のフール(伊坂幸太郎)・・・ゆこりん


地球に小惑星が衝突する。その運命の日は刻々と迫っている。どこにも逃げ場がなく運命を受け入れなければならなくなったとき、人は何を考えどう生きていこうとするのか?

毎日の平凡な生活があと何年か後には失われてしまう。終わりが見えている人生。自暴自棄になる人、耐え切れずに自ら死を選ぶ人、他人を襲う人。架空の物語なのだけれど、読んでいて背筋がぞくっとなった。人類最期のときまで、いったい何をすべきなのか?いつもの日常が断ち切られるなんて想像もできないけれど、実際にこういうことが起こったら、私も耐えられなくなるかもしれない。この絶望的な状況の中でいつもの生活を送ろうとする人が、とても強く見える。確実な未来なんてない。そのことに気づかされるこの作品が、とても重く感じた。
2006.05.10 Wednesday 16:56 | comments(0) | trackbacks(5) | 

冷たい校舎の時は止まる  辻村深月 講談社 (chiekoa)

4061823752冷たい校舎の時は止まる (上)
辻村 深月
講談社 2004-06-08

4061823787冷たい校舎の時は止まる (中)
辻村 深月
講談社 2004-07-06

4061823825冷たい校舎の時は止まる (下)
辻村 深月
講談社 2004-08-06

ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生。どうしても開かない玄関の扉、そして他には誰も登校してこない、時が止まった校舎。不可解な現象の謎を追ううちに彼らは2ヵ月前に起きた学園祭での自殺事件を思い出す。しかし8人は死んだ級友の名前が思い出せない。死んだのは誰なのか…。

これは…素晴らしい!これがデビュー作??恐ろしすぎます…。文章も、構成も、素晴らしかった。うん。第二の恩田陸?!くらいに思いました。(←私的にはかなりの誉め言葉です!)。

登場人物の数が多いので、最初のうちはちょっと苦労したのですが、その書き分けというかキャラ付けが見事なので、なじんでくると何の問題もありませんでした。それぞれが、それぞれに抱える心の闇。高校生くらいの頃の、人と人の関係のあの息苦しさと切なさと。…胸にぐっと来ました。それをこれだけの人数かき分けるなんて!すごい。素直に驚嘆しました。まぁ私はこんなステキかつ繊細な高校生ではなかったのですけれどね…。(私の周りにもきっといなかった(笑))。

そしてこのストーリーと、ラストに明かされる事実。すべてがぴしっと一本の糸につながったような快感…。あぁ、そうだったんだ!と目からウロコでした。読みながら全然真相がわかんなかったんです。私。長かったけど、最後まで一気に読ませます。そういえば私もこういう風に気の会う仲間たちと特殊な状況に置かれたら…って想像(妄想?)、結構したなぁ。それでわくわくしたなぁって、思い出しました。でも小学生くらいの頃ですけど…。

なんかすごく映像向け?な感じもしました。絵になりそうだなぁ。

個人的に…唯一難を言えば、主要登場人物の名前が「辻村深月」なことでしょうか。なんかしょっぱなから「えー?」と思ってしまって、そこが興ざめでした。なんでこうしたのかなぁ。気恥ずかしくないのかしら…。私だったらできない。絶対できない。よくわかりませんが。そんなものですか?

いや、でも名作だと思います。ほんとうに素晴らしかった!これからが楽しみで楽しみで仕方ありません。
2006.05.02 Tuesday 13:59 | comments(0) | trackbacks(0) | 

ご参加いただきました。

みなさん、こんばんは♪
新メンバーをご紹介いたします。
uririnさん女です。

プロフィールを設定させていただきました。
あとパスワードはこれからメール送信します。
DRECOM RSSはあとで設定させていただきます。

ご参加ありがとうございます。

現在ご参加メンバー74名です拍手
2006.05.02 Tuesday 02:33 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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