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My Recommend Books !みなさんのオススメの本を熱く語り合いましょう!
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『陰日向に咲く』 劇団ひとり 幻冬舎 (chiekoa)
ホームレスにあこがれて本当のホームレスになってしまうサラリーマン、いわゆる秋葉系のアイドルおたく、男に遊ばれる自称カメラマンの卵の20歳の女の子、ギャンブルで借金まみれの中年男、浅草のストリップ劇場の売れない芸人。 「道草」「拝啓、僕のアイドル様」「ピンボケな私」「Over run」「鳴き砂を歩く犬」の5編からなる連作短編集です。 「みくびってました!!!ごめんなさい!!!」 と、最初に謝っておきます。いやぁ、予想外によかった!(←失礼な。でもほんとうなの…)。先入観、よくないですね。ほんと、ごめんなさいでした。 連作短編の形になっているのですが、その構成がすごく上手いと思いました。一筋縄ではいかないのね!というか。最後なんて、「あぁ!」と思って泣けそうでしたよ…不覚にも。(←これを不覚と思う時点でその先入観がよくないんだってば)。 もちろん、文章の上手さとか、そういうところではまだまだ全然という感じなのですけど、なんというのかな…。全体的に大味なんですけど、読み終えた感想としては、あぁ、よかったなぁ、と。絶賛!ってわけじゃないんですけど、オススメかどうかと言われればオススメだし、一度読んでみてソンはないのではないかと。はい。 そしてこの本、装幀が「鈴木成一デザイン事務所」ですよ!デビュー作で…生意気な(笑)!スタイリストさんまでついてるみたいだし。お金かけてるなぁ。そういうとこ見ると、出版社の売るぞ!って気合が透けて見えたりして、なんとなくげんなりなんですけど、確かにそういう「色物」の一面もあるのでしょうけど、でも、それでも一度読んでみてもいいのではないかなぁと思います。お暇なら、ぜひ(笑)。
Presents(角田光代) ・・・ゆこりん
贈ったもの、贈られたもの、そこには忘れられない大切な思い出がある。プレゼントにまつわる12の作品を収録。 作者が言うように、プレゼントを贈るより贈られるほうが、はるかに多い。それは、形があるものやないものさまざまだ。何気ないプレゼントが、その人の考え方や人生を変えてしまうこともある。この中におさめられている作品の一つ一つが、心地よい温もりを読み手に与えてくれる。特に「鍋セット」と「涙」は印象深かった。この本の絵を担当している松尾たいこさんはあとがきで、生まれてから最初にもらう大切なプレゼントは「名前」だと書いている。その通りだと思う。でも私は、生まれる前にもうすでに大切なものを両親から贈られていると思う。それは「命」。これこそが究極のプレゼントではないだろうか。
夜市(恒川光太郎)・・・Roko
夜市へ行けば様々なものを買うことが出来ます。普通の世界では買うことが出来ないものまで買うことが出来ます。 でも、夜市はいつ行われるのか分からないし、誰にでも行けるというところではないのです。
チョコレートコスモス(恩田陸)・・・ゆこりん
誰もが望んでいた。新国際劇場のこけら落としとなる芝居に出ることを。ベテラン女優もアイドルと呼ばれる女性も、そして芝居をやり始めたばかりの佐々木飛鳥も。舞台芝居に賭ける人たちを熱く描いた傑作。 読み終わった後も心臓がドキドキしていて、しばらくはおさまらなかった。すごいものを読んでしまった。すごい本に出会ってしまった。その興奮はずっと続いた。 舞台の上で繰り広げられるオーデション。その凄まじい迫力。「本を読んでいるのではない。自分もそのオーデションを実際に見ているのだ!」と思わせるほどの見事な描写。登場人物の一挙一動、そしてその表情がありありと目に浮かぶ。ゴクリと唾を飲み込む音さえ、生々しく聞こえてきそうな気がした。読みながらその光景を頭で描いていくという経験は何度もある。しかし、この作品はそういうレベルではない。文字が、文章が、これほどまでに読み手を作中に引っ張っていけるなんて!読んでいるうちに、気がついたら物語の中に引きずり込まれ、自分も登場人物の一人として芝居を見ていた。そういう感じだった。佐々木飛鳥の持つ秘められた能力。それがどんなふうに発揮されるのか?内容自体もとても惹きつけられるものだった。「チョコレートコスモス」このたまらなく魅力的なもの!この作品を読んだ人はすべてがすべて、この先にあるものを知りたくなるに違いない。私の評価の最高は五つ星だが、あと2、3個星をつけたいと思ったほどよかった。オススメです!
兄弟(なかにし礼)・・・ゆこりん
両親からは期待され、弟からは憧れの目で見られていた兄だったが、戦争から戻った兄は以前の兄ではなかった・・・。兄に振り回されどおしだった弟が描く家族の物語。 戦争が兄の心を壊してしまったのだろうか。そのどこか投げやり的な生き方は異常とも思える。そんな兄に翻弄される家族。特に、弟禮三が作詞家として売れてから以降は凄まじい。普通の人間ならとっくに縁を切ってもおかしくない状態なのに、禮三は兄をかばい続ける。切りたくても切れない。家族とはそういうものなのかもしれないと思う。だがついに弟が兄を見限る日が来る。そして兄の死。 「兄貴、死んでくれて本当に、本当にありがとう。」 禮三の叫びの中に、深い悲しみを見た。もし戦争がなかったら、平凡な兄弟でいられたかもしれない。そう思うと、兄の人生が哀れでならなかった。
『しずかに流れるみどりの川』 ユベール・マンガレリ 白水社 (佐吉)
邦訳としては『おわりの雪』に続いて二冊目になるが、この作品は、児童文学作家としてデビューしたマンガレリの初めての一般向け長編小説である。そっとつぶやくような文体で、寡黙で繊細な少年の哀しみや孤独を、一つの風景のように描いた『おわりの雪』と同様、この『しずかに流れるみどりの川』も、一歩ずつ大人へ近づいてゆく少年の内に広がる世界を、もの静かに、しかし瑞々しく描いた印象的な作品である。 見渡す限りどこまでも広がる深い草むら。主人公の少年プリモは、その草原に囲まれた小さな町に、父親と二人で暮らしている。父親は町のコンプレッサー工場を解雇され、以来定職に就けず、近所の家の庭の草むしりや芝刈りをして糊口を凌いでいる。電気も止められてしまうほどの貧しい生活の中、父子は裏庭に自生する「つるばら」を栽培し、それでひと儲けすることに希望をつないでいる。不揃いな百個の空きびんに「つるばら」の種を植え、毎日丁寧にその世話をする父と子。少年にとって「つるばら」は神からの贈り物である。二人は祈りを捧げるような厳粛さをもってその作業を繰り返す。
40 翼ふたたび(石田衣良)・・・Roko
40歳から始めよう。再スタートに遅すぎることはない。(本文より抜粋) 主人公の喜一さんは40歳。ちょうど人生の折り返し地点にたどり着いたところ。ふと気付けば40歳って若くもなければ年寄りでもない、どうも中途半端な年頃なんだなと思えてくる。
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