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My Recommend Books !みなさんのオススメの本を熱く語り合いましょう!
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エンド・ゲーム(恩田陸) ・・・ゆこりん
父の失踪後、母暎子と二人で生きてきた時子。ある日母が旅行先で倒れ、意識不明になる。「体に異常がないのに母は目覚めない。」時子はその謎を解こうとするが・・・。常野物語シリーズ。 「あれ」の存在。「裏返す」か「裏返されるか」そのどちらかしか選択肢がない!そのことに怯えて暮らしてきた暎子と時子。真実と虚偽のはざまにつくられた迷宮の中には、果たして何が存在するのだろうか?読んでいる側も、何が真実なのかよく分からなくなるような世界だった。だが、ぞくぞくするほどの面白さを感じた。人の心の中にはどんなものが潜んでいるのか?そのことを考えると恐怖を感じる。彼らはゲームを楽しんだだけなのか?その結末から、今度はいったい何が生まれるのだろう?
『北緯四十三度の神話』 浅倉 卓弥・著 (BY:りーふい)
北緯四十三度の神話 浅倉 卓弥 あなたには姉妹がいますか? 姉妹がいる人なら、きっとどこかで共感してしまう部分があるのではないかしら。 姉妹をうらやましいと思ったり、うっとうしいと思ったり、そういうことって少女期にはあるのよね。 大学の助教授助手をしている姉の菜穂子。 FMラジオ局でDJとして活躍している妹の和貴子。 幼少の頃はとても仲睦まじかった二人だが、両親の死とある男性の死をきっかけにギクシャクしてしまう。 次第に膨らんでいく心の溝と、理解しあおうとするまでの成長の物語です。 物語の途中で、和貴子のDJする深夜番組の様子が効果的に繰り返し挿入されているのが物語にテンポをつけているような気がします。 リスナーからのメッセージに体験に基づきながら懸命に話す言葉は、真実の言葉だと思うし、それに励まされるリスナーの気持ちも分かるんだよね。 私も中〜高時代はラジオっ子だったから。 深夜放送ってDJが自分だけに語りかけてくれている気がして、親密さが違うし、どこか特別な時間だったんだよね。 (その当時聞いていたラジオ番組を思い出しちゃった。 赤坂康彦の「ミリオンナイツ」って番組なんだけど、知ってる?) 和貴子のDJの様子にそんな懐かしい時間を思い出させてもらったの。 マイクの前では本音を語れる和貴子。 でも、実際に姉を目の前にすると言えなくなる言葉たち。 姉の菜穂子も同じで、いつからか開いてしまった心の距離に戸惑いながら、なんとかしたいという気持ちがあるのにできないもどかしさ。 姉妹だから傷付き合ってしまうけど、姉妹だから分かり合える、乗り越えていける。 そう思える作品です。 深夜ラジオを聞いていたことがある人と、姉妹がいる人にはオススメの一冊です。
どうで死ぬ身の一踊り/西村賢太
どうで死ぬ身の一踊り/西村賢太 発売元: 講談社価格: ¥ 1,575発売日: 2006/02/01posted with Socialtunes at 2006/02/14 大正期に存在した作家、藤澤清造に傾倒しまくった男の、おかしくも憐れな日常を描く、第134回芥川賞候補作を含む全3作からなる作品集。
『占い師はお昼寝中』 倉知淳 創元推理文庫 (のぽねこ)
倉知淳『占い師はお昼寝中』 〜創元推理文庫〜 昼寝が大好き、面倒くさがりの占い師・辰寅叔父のもとに、見習いアルバイトとして通う美衣子。叔父は、占いでは嘘八百を並べ、口先で客をまるめこむ。それでいて、事件(事態)は解決、あるいは良い方向に向かっていく−。叔父のぐうたらぶりにあきれながら、その洞察力や要領のよさに一目置き、そして訪れてくる「お客さん」を観察して社会勉強をする−。そんな美衣子が関わった、六つの事件。 「三度狐」一番目の「お客さん」は、一流会社の課長補佐。引っ越しをし、また社内で昇進の話が出た頃、身の回りで不審なことが起こった。ゴルフクラブの紛失、書類紛失、そして、枕もとにおいていた本の紛失。 「水溶霊」二番目の「お客さん」は、かっこいい女性。彼女のマンションで、ポルターガイスト現象が起こったという。 「写りたがりの幽霊」三番目の「お客さん」は、軽薄な男子学生。彼が写っている三枚の写真は、いかにも心霊写真のようであった。 「ゆきだるまのロンド」四番目の「お客さん」は、明るい主婦。自分が二人いるのではないか、そう疑問を感じずにいられない出来事が起こっているという。 「占い師は外出中」五番目の「お客さん」たちは、二人の老人。片方の老人の家に、血まみれの幽霊が出るという。 「壁抜け大入道」六番目の「お客さん」は、小学生の男の子。父親に盗難の疑いがかけられているが、自分は事件の夜、現場に、一つ目の大入道を見たという。
関東大震災(吉村昭) ・・・ゆこりん
1923年(大正12年)9月1日、関東地方に大地震が起こった。死者の数は20万人。地震はどのように起こったのか?また、地震による火災の恐ろしさはどれほどであったのか?克明に綴った作品。 地震による直接の被害もさることながら、その後に起こった火災が犠牲者の数をかなり増やしてしまった。逃げ場を失い焼死する人たちの姿は無残としか言いようがない。また、地震直後に起こった噂や風潮は人々をますます混乱させていく。人間の集団心理というものの恐ろしさをまざまざと見せつけられた。地震直後、正確な情報の必要性が強く感じられる。地震はいつ起こるか分からない。大地震が起こったとき、はたしてうまく対処できるのか?80数年前の関東大震災、そして近年起こった阪神大震災。そこから学ぶべきことが、まだまだたくさんあるような気がした。
『恋せども、愛せども』 唯川恵 新潮社 (星落秋風五丈原)
< 四者四様の 愛のかたち > 東京で脚本家を目指す28歳の高久理々子は、バイトで暮らしを立てている。同い年の姉・雪緒は、大手不動産会社の総合職でばりばり働いている。二人とも恋人がいて、結婚を前提にしないつきあいを楽しんでいた。そんなある日、彼女達の養母と養祖母が結婚すると宣言する。
冒険の国(桐野夏生)・・・Roko
この作品は桐野さんがすばる文学賞に応募して、最終選考まで残ったものに加筆したものです。手を加えたとはいっても、若々しい文章には新鮮さを感じます。 舞台はバブル寸前の浦安です。ディズニーランドができて、新しいマンションが沢山建ち、昔からの漁港だった浦安が段々と開発されていったあのころ。漁業権を売って新しい街に移り住んだのだけど、もう一つしっくりこない家族が物語の主人公です。 せっかく新しいマンションに住んでいるのに、夢に描いたようなマンションライフが送れない。それどころか、この新しい街になじむことさえできないもどかしさが、そこかしこに溢れています。
『はるがいったら』 飛鳥井千砂 集英社 (トラキチ)
<またまた新しい才能の誕生! これがあるから読書はやめられない> 直木賞の新人版と言っても過言ではないほど近年人気作家を続々と輩出している小説すばる新人賞。 前回の受賞作で直木賞の候補にもあがった『となり町戦争』に引き続き第18回の本作も魅力ある作品が受賞されたのは嬉しい限りである。 幼い頃に両親が離婚したことで、別々に暮らす姉でデパートガールの園と弟で男子高校生の行。 ふたりの熱き姉弟愛(絆)はハルという一緒に住んでいた時期に公園で拾った一匹の犬の介護を通して固く結ばれている。 そのハルはずっと弟が介護していたのであるが、入院を機に姉が預かることとなる。 そのことがハルにとっても転機となるのである・・・
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