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My Recommend Books !みなさんのオススメの本を熱く語り合いましょう!
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『プリーストリー氏の問題』 A.B.コックス 晶文社 (星落秋風五丈原)
プリーストリー氏の問題 posted with 簡単リンクくん at 2005. 8.31 A.B.コックス著 / 小林 晋訳 晶文社 (2004.12) 通常2??3日以内に発送します。 <手錠のままの恋愛> どうやら大英帝国のジェントルマンたる者は、「冒険願望があってしかるべき」らしい。 アガサ・クリスティーの作品に登場する、よろず相談引き受け人、パーカー・パイン氏の元には、毎日の単調な生活に嫌気がさした男が、冒険を求めてやって来ていた。しかし本編の主人公プリーストリー氏には、一向に冒険願望がない。三十六才にして友人からは「ペポカボチャ」「カサガイ」呼ばわりされるが、本人にとっては馬の耳に何とやら。このまま平穏な一生を送るかと思われたが、ある夜ピカデリーで見知らぬ女性に助けを求められるという、かつてない事態に遭遇する。うら若く美しき女性の願いを断れないジェントルマン、プリーストリー氏は求めに応じるが、なぜか彼女と二人、手錠につながれ殺人犯として追われる身に…。
731 青木冨貴子 新潮社 (ゆこりん)
細菌戦部隊731の責任者であった石井四郎。彼はなぜ戦犯にならなかったのか?そこにはアメリカの思惑があった。発見された石井四郎直筆のノートや、さまざまな人たちの証言から真相に迫ったノンフィクション。 森村誠一さんの「悪魔の飽食」で、初めて731部隊の存在を知ったのはもう20年以上前のことだった。戦争中、ペスト菌を初めとするさまざまな細菌を用いて人体実験を行なったという事実は衝撃的なものだった。その責任者である石井四郎がなぜ責任を問われなかったのか?そこには、ぜひとも実験結果を手に入れたいというアメリカの思いがあった。戦後処理の一環として731部隊の調査は行なわれた。それは戦後の闇の部分であったと思う。貴重な資料や証言から浮かび上がる日本の戦後。日本人として知っておかなければならないと痛切に感じた。
『ライオンハート』恩田陸(ゆうちゃん♪)
恩田さんの本3冊目です♪ エドワードとエリザベスの時を越えた 永遠の愛の物語ーだったと思います♪ 夢で見る予知夢&そして最後に出会う。 その繰り返しが何度も時を越えていく。 どこが始まりで、どこへ行くのか・・・ 過去と未来と現在が時という名の糸で からみあって切れかけてつながってー 最初ついていくのが難しかったです(^^;
『リリィ、はちみつ色の夏』 スー・モンク・キッド 世界文化社 (chiekoa)
1964年サウスカロライナ。母を亡くし、父と二人で暮らすリリィ。酷薄な父親にがまんがならず、家を飛び出したリリィを受け入れてくれたのは養蜂家の黒人姉妹でした。彼女たちを手伝いながらいっしょに暮らすようになったリリィは…。十四歳の少女の過ごした、ひと夏の物語です。 このタイトルと表紙を本屋で見かけてからずっと気になっていて、やっと読むことのできた本です。外を吹き抜ける風や、野を飛び回る虫たちの羽音、そんなものまでリアルに伝わってくるような…、読んでいるだけで、見たことも行った事もないそのサウスカロライナの大地の風景が目の前に浮かんでくるような…。ため息が出るほど秀逸ですばらしい描写を堪能しながら読みました。 でもこの物語は、このタイトルや表紙から連想されるほど、明るく暖かいだけの物語ではありません。十四歳の女の子の、心の中。親と子、白人と黒人、彼女をとりまく様々な環境。決していいだけのものではない、重苦しいその現実の中で、包み隠さず素直に語られる彼女の言葉に、頭をガツンとなぐられたような気持ちに何度もなりました。心が苦しくなりました。 「愛されたい、愛されたい、愛されたい」 行間からそんなリリィの声が聞こえてくるようで、胸が締め付けられました。そばに行って、抱きしめてあげたくなりました。それだけ彼女に感情移入しただけに、このラストは、読み終わってとてもほっとしました。自分もいっしょに救われたような気持ちになりました。これからも、彼女が愛に包まれて、まっすぐ顔を上げて人生を歩いていけますように…。 そして、この物語のもう一つのテーマでもある「宗教」というものの側面を、自分がきっと理解しきれていないことがとても残念でした。よくも悪くもいわゆる「日本人」なわたし…。 でもこれだけの重い内容を、決して重くなりすぎず、暗くなりすぎず読ませてくれるところが、この本の素晴らしいところだと思いました。
『HOMETOWN ホームタウン』 小路幸也 幻冬舎 (でこぽん)
HOMETOWN ホームタウン posted with 簡単リンクくん at 2005. 8.29 小路/幸也??著幻冬舎 (2005.8)通常24時間以内に発送します。 中学生の時のある事件のせいで、家も家族もすべて失ってしまい故郷を離れなくてはならなかった主人公が再び故郷へ向かわなくてはならなかった、そんな家族探しともいえる物語です。
『再生巨流』 楡周平/新潮社/苗村屋
素晴らしい本に出会ってしまった。「全国のビジネスパーソンに告ぐ。読むべし!!」と叫びたくなるような本である。筆者の楡周平は外資系企業に勤務した経験があり、『Cの福音』は犯罪小説でありながらも、貿易実務の知識などを折り込んだ魅力的な作品であった。読書当時、実際に会社で貿易実務の知識を学んでいた私にとって、非常に興味深い作品であった。その後、犯罪小説にさらに傾倒して行ったかのように感じていたのだが、ここへ来て本格ビジネス小説を世に送り出したのは嬉しい限り。久しぶりに読み応えがあり、かつ一気に読ませてくれる小説に出会った。
舞台は物流業界。奇しくも、郵政民営化が否決されたばかりであるが、本書でも民間の物流業者が郵政民営化の波を敏感に感じながら、新規ビジネスを立ち上げようとする様が克明に描かれている。ヤマト運輸がモデルかなと感じさせるスバル運輸を中心に、文具の宅配業者として急成長を遂げているアスクルを彷彿させるプロンプトをライバル企業に据え、新規ビジネス立ち上げの難しさと面白さを鮮やかに描いている。 まず、アイデアが秀逸。コピーカウンターにPHSを取り付け、顧客から紙の在庫管理業務をなくしてしまうという取っ掛かりのアイデアに加え、そのワン・アイデアを生かすべく、さまざまなアイデアが波状的に広がっていく。街の電気屋さんを利用した物流スキーム、価格サイトを利用した売込みなど、誰にでも考え付きそうなアイデアなのだが、これらのワン・アイデアが有機的に結びついて、非常に興味深いビジネススキームが築かれてゆく。 大前研一が述べていたことだが、ネット・ビジネスが発達すればするほど、ラスト・ワン・マイルというのだろうか、デポから顧客のドアまでの宅配というのがキーになってくる。新聞配達屋が、そのラスト・ワン・マイルを請け負うことにより、1つのビジネススキームが出来るのではないかとのこと。このアイデアを新聞配達屋ではなく、街の電気屋さんで実現したのが本書であろう。確かに、銀行や証券といった実体を伴わない一部の特殊な商品以外は、物流が非常に重要である。そのことを改めて思い知らされる作品であった。 人物も良く描けている。主人公の鬼だるまこと吉野は、その強引な性格ゆえに左遷の憂き目にあいながらも、貪欲に新規ビジネスを模索している。プロ野球選手を目指し、腰掛的にスバル運輸に入社してきた蓬莱も、肩を壊してセールスドライバーに転向したという挫折を味わっていながら、何とか売上を伸ばせないかともがき苦しんでいる。このように一度辛酸を舐めた主人公達が、復活していく様というのは読んでいてすがすがしい気分になる。途中、話を盛り上げる為か、現実の世界に合わせたのかは知らないが、案の定、上司の横槍が入ったりもするのだが、吉野はものともしない。強引なまでのリーダーシップ、外見に反して緻密なアイデア、そして何よりも強烈な使命感を持った主人公の吉野は、現在の日本企業に掛けているリーダー像かもしれない。 社主の曽根崎もいい味を出している。やはりヤマト運輸の小倉氏がモデルなのだろうか。残念なことに、6/30に逝去されてしまったが、彼がこの小説を読んだら何を感じただろうか。コンシューマーだけでなく代理店まで「顧客」と捕らえる曽根崎の視点は、身に沁みる思いがした。 少し出来すぎだなと感じたのは蓬莱の妻の藍子。学生ながら卓越したITスキルを持ち、玄人顔負けのアイデアをひねり出す。女性が活躍するのは非常に良いことだと思うのだが、蓬莱の妻というのが出来すぎ。どうせなら社内でヒマをもてあましているOLが大化けする方が面白かったかもしれない。 いずれにせよ、そんな些細な点は気にならないくらいの骨太な作品である。何冊かのビジネス小説を読んできたが、実話を基にした話や、社内の派閥争いを描いたものが多い中、新しいビジネスモデルを提案する小説というのは非常に珍しいのではないだろうか。いつ実現してもおかしくないリアリティのある作品。日本企業はまだまだ捨てたものではないと思わせてくれる秀作である。 褒めてばかりで申し訳ないが、もう1つ面白いと思ったのは、本書がプロジェクト・マネジメントの教科書にもなりうるという点。私自身、全社のERP導入プロジェクトに参加したことがあるのだが、その際痛切に感じたのが優秀なプロマネの必要性である。厳しい進捗管理と、遅滞業務のボトルネック解消は、プロジェクト・マネジメントのノウハウに加えて、対象となる業務を熟知していないと勤まらない難しい仕事である。 最後に、実際のビジネスシーンでも使えそうな参考になるフレーズを抜粋して終わりたい。 ・スジのいいアイデアというものは何度もデッサンを繰り返しながら形を成していくものではない。全てのプロセスをスキップして一瞬にして下絵ができ上がる。 ・オール・オア・ナッシングを覚悟の営業なんて、能無しのやることだ。たとえ百パーセントの目的は達成されなくとも、何かしらの成果はひっ掴んでくる。それが営業だ。 ・この手のプロジェクトはな、進捗状況の管理がキーになる。コミッティのメンバーは毎週月曜日にミーティングを持つことにする。その際にその週の達成目標を決めると同時に、進捗状況をチェックする。もしそこで前の週に提出した目標が達成されていない場合は、その原因を徹底的に追究する。 ・データ分析なんて大した頭はいらねえ。極端な言い方をすれば単純労働。力作業だ。そんのことにかかわっている暇は俺たちにはねえ。頭を働かせ、考えに考えぬかなきゃならないことが山ほどあるからな。 ・あんたが鍛える部下の体に宿る遺伝子は、また次の世代へと脈々と受け継がれていくことになるんや。 ■苗村屋読書日記
「怪異投込寺」山田風太郎
組み伏せ、女の腰にとりついたと見えた男は、しかしみるみるうちに精気を吸われ、ミイラ化していく。 『忍法 棒涸らしの術!』 血反吐を吐きながら絶叫する娘。 うおお、なんだこれは。しかも、棒涸らしって…。 また次の画面ではあられもなく乳房をあらわにしたくのいちが、なんと乳首から脅威の殺人乳を噴出して敵を打ち倒しているではないか。 ななな、なんですかこれは一体?メチャクチャやないですか。 山田風太郎原作の映画「くのいち忍法帖」を観たのはおそらく高校生のころだったろう。ローカル局の深夜枠だったはずだ。 それ以来、山田風太郎の名はエッチな時代劇作家として僕のなかでこだまし続けていた。というより、ほとんどVシネマの原作者のように認識されていたといっていいだろう。 先入観とはおそろしいものである。僕は山田風太郎を実際に読みもせず、「別に読まなくてもいい作家じゃない?」と決めてかかっていたのだ。 今回はじめて彼の小説をじかに読んでみたが、これがぞくぞくするほどおもしろい。読みながら肌が粟立つような感覚をえたのは久しぶりだ。その奇想天外ぶりが高い評価を受けていたのは知っていたが、ここまで花も実もある物語の紡ぎ手とは思わなかった。 不覚である。 文庫版巻末の解説によれば、本書は「探偵小説・忍法帖・明治物・室町物」に代表される山田風太郎の著作のなかでも埋もれがちな江戸物の短編を集めたものらしい。 よって一般的な山田風太郎作品とは少し毛色のちがったものとなっている、と解説子はにおわせている。 この指摘が的を射ているのかどうかの判断材料を持たないので、あるいは間違った印象論になってしまうかもしれないが、男女の機微を性に絡め、濃厚かつ芳醇な物語に仕立て上げる筆力をもった作家は山田風太郎をもってその随一とするのではないか。 かつて文芸春秋を購読していたころ、「シャトウ・ルージュ」とかいう渡辺淳一の小説が掲載されていたので少し読んだことがあるが、これがまた駄作をこえた愚作で、その当時からこの小説家を見下していたのだが、本作を知るにいたって渡辺淳一の三流ぶりをあらためて痛感させられた。唾でも吐きかけたくなったあの感慨は間違っていなかったのだ。 人間の本性たる色事を核にすえ、濃密なストーリーテリングでうならせる小説家。前述の代表的な著作群を読んでいくにつれ、今後この印象が変化することもあるだろうが、伝奇小説の雄・山田風太郎は避けて通れぬ作家として、いま僕の眼前に貯立している。 余作は知らず、この短編集は傑作揃いと断言しておこう。 オススメ度★★★★★
『エディプスの恋人』 筒井康隆 新潮文庫 (のぽねこ)
エディプスの恋人 筒井 康隆 私立手部高校の教務課事務員となった火田七瀬。彼女は、就職してから、独特の「意思」の存在を感じていた。 ある日。野球部の生徒たちが、騒然としていた。打った硬球が、一人の生徒の方へ飛んで。生徒の頭にぶつかる直前に、硬球はばらばらになって。球がぶつかりそうになった男子生徒は、何事もなかったかのように立ち去っていった。 「彼」だ―。七瀬は悟る。独特の意思を持っているのは、「彼」なのだ…。 精神感応能力者(テレパス)である七瀬は、「彼」―香川智広のことを調べていく。彼の周辺で起こる超自然的現象。七瀬はそこに、「彼」以外の何者かの「意思」の存在を感じる。
『命の終わりを決めるとき』 朔立木 光文社 (聖月)
命の終わりを決めるとき 朔 立木 「終の信託」と「よっくんは今」という二つの中編が収められた一冊であり、そのどちらの主人公の女性も、自らの意思で他人の命の終わりを決め、そのことにより罪を問われているという現状を中心に据えた問題提議小説として著されている。 作者あとがきで、どちらの小説も実際にあった事件を枠組みにして、そこに作者のフィクションを組み込んだとあるように、評者も途中読みながら、「終の信託」に関しては、実際にあった事件を想起しながら読むこととなった。ただし「よっくんは今」のほうは、あとがきでそう書かれてあっても、特に思い起こすような事件は評者の記憶の断片には留まっていなかったようである。 「終の信託」を読みながら思い出した事件というのは、やり手の女医が複数の患者に筋弛緩剤を施し、殺人の罪に問われた事件である。当時のニュースの女医の風貌などは記憶にあるが、何故にそういう罪を犯すことになったのか咀嚼しないまま、評者の中では風化してしまった事件でもある。本書を読んで感じたことは、あの事件、罪を犯した事件というより、罪が問われた事件だったのかもしれないということである。
『恐怖の報酬』日記 恩田陸 講談社 (ゆこりん)
飛行機が死ぬほど嫌い!!海外旅行なんてとんでもない!! そう思っていた恩田陸さんだったが、イギリス・アイルランド旅行に行くことになってしまった。はたしてどんな旅になったのやら?面白おかしいエッセイ集♪ 恩田さんの飛行機嫌いは徹底している。ハンパじゃない。そんな恩田さんが12時間も飛行機に・・・。パニックにならないのが不思議なくらいのうろたえぶりはおかしかった♪だが、さすがに作家だけのことはある。行く先々での行動や風景の描写は読んでいてとても楽しかった。それに、エッセイの中で取り上げられている本や映画作品なども、とても興味深かった。恩田さんの読書量などにあらためて尊敬の念を抱いてしまった。それにしても恩田さん、よく飲みます。お酒好きなのは知っていたけれど、読んでいる私まで酔いそうでした。ラストは爆笑♪
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