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『スコーレNo.4』 宮下 奈都 光文社 (chiekoa)
アンソロジー「コイノカオリ」や「エソラ」で見かけてずっと気になっていた、宮下奈都さんの単行本がついに出ました!しかも書き下ろし長編です。うれしいです。装丁もステキで、うれしくなってしまいます。表紙も裏表紙も、じっくり見てしまいました。 スコーレっていうのは、 ギリシャ語でスクール(school)の語源だそうです。でもこの本で描かれているのは、いわゆる入学して卒業するあの「学校」だけじゃありません。何かを、学ぶ場所。ものごとを知る場所。それは家庭だったり、職場だったり。場所だけじゃありません、人から学ぶことだって、たくさんたくさんある。 この本は、そういう場所や人々を通じて成長していく、一人の女性の物語です。小さなときは、両親や家族や兄弟がその世界の全てだった少女が、だんだんに時を重ねるにつれて、広い世界で様々なことを知っていく。自分自身ですら気づいていなかった、「自分」を知っていく…。その過程が、落ち着いた静かなテンポで語られていきます。 主人公は、骨董品店の三人姉妹の長女として生まれた麻子。何かに「執着」するということ、何かを「愛す」ということ、強い気持ちで何かを「欲しい」と思うこと。それができないと思っている自分自身の、その頑なさや、抱えている寂しさ。「寂しい」という言葉を彼女が直接使うわけではないけれど、でも、なんとなく、こう、わかる気がするというか、染みてくるというか、麻子の感じている「気持ち」が伝わってきました。読んでいて、胸がしくしくしました。もうちょっと、自分を好きでいていいんだよ、そんなふうに思わなくていいんだよって、何度も思いました。 だから、この物語のこのラスト、とってもとっても、うれしかったです。私の心にも、何か新しいものが芽生えたみたいな気持ちになれました。笑顔になれました。正直、読んでいる最中に、自分がラストでこういう気持ちになるって予想をしていなかったので、びっくりしました、いい意味で。 「スコーレNo.4」、麻子にとってのそれは、何だったのかな。私にとってのそれは、何なのかな。そんなことに思いを馳せました。これからだって、きっとまだまだ…。オススメです。 Comment
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