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2007.07.04 Wednesday  | - | - | 

『絡新婦の理』 京極夏彦 講談社文庫 (星落秋風五丈原)

絡新婦の理
絡新婦の理
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5. 8
京極 夏彦講談社 (2002.9)通常24時間以内に発送します。

< 蜘蛛女の瑕 >

19才の娘、35才の水商売の女、30才の女教師が連続して殺される。しかもいずれも目を潰されて。所謂「目潰し魔」殺人事件を担当する事になったのが、東京警視庁の木場修太郎。『魍魎の匣』縁の柴田グループ傘下が経営するキリスト教系女学校では、絞殺魔が出没する。折しも薔薇十字探偵社を訪ねた女性の尋ね人がこの学校にいるとわかり、助手志願の益田共々、探偵・榎木津がやってくる。『いさま屋』の釣り堀の主・伊佐間はたまたま訪れていた房総で、当主が亡くなった富豪・織作家の骨董鑑定を頼まれ、旧知の骨董屋『待古庵』の主・今川を呼び寄せる。
シリーズ第五作は桜舞い散る下、男女が会話を交わしている場面から始まる。京極堂シリーズを読んでいる者なら、身に纏う黒衣、女性から指摘される彼の役割、理屈っぽい喋り方から、男性が誰かはすぐにわかる。しかし今までの対決風景とは異なり、かなり両者の間は拮抗しているようだ。それも力が互角というより、京極堂が言葉で押しても、常に相手がフワリといなしているようだ。だからいつも対峙する相手の手法で憑物を落としている京極堂が、肝心な所で見切れない。知識も経験も人並み以上の彼が、「乗り出せば自分もその計画に組み込まれるのではないかと危惧している」と恐れている相手とは、一体どんな人物なのか?大いに興味をそそられる。やがてお馴染みの主要人物達が個々に事件に関わっていきつつ、それぞれが結びつく謎の中心に向かってゆく。

学園という小さな王国で事件が起こる設定は、恩田陸の『六番目の小夜子』『麦の海に沈む果実』などでも使われた。織作家の三姉妹を読んで、和田慎二の『スケバン刑事』シリーズの海槌三姉妹を思い出した。両方とも水神が出てくるし、三名の表裏の力関係においても似ている。更に或る人物のイメージが、日本語題名が『蜘蛛巣城』である『マクベス』で夫を操るマクベス夫人に重なる。冒頭である人物が切ってみせる啖呵「絡新婦の理ですもの-」は、何だか「私はフランスの王妃ですもの」と言ったマリー・アントワネットを思い出させた。

全く別々の事件を一緒くたに『匣』に入れてしまったために、ややこしくなった『魍魎の匣』、それとは逆に別々の事件が実は一つの骨のように繋がっていた『狂骨の夢』。事件の相関関係がそのタイトルと密接に繋がっているシリーズは、蜘蛛の糸を比喩として用いる。蜘蛛の糸は、なるほど匣や骨や檻より脆いつくりで、隙間だらけだ。しかし、この隙間があるため罠にかかるかどうか-計画通りにいくかどうか-わからないというファジーさすらも、計画の瑕としてでなく、かえっておおもとまで辿りにくい強みに使っている設定がうまい。

早く先が知りたくて一気に読んでしまった。
以前このシリーズを読む前、山積みになった本を見て
「一体こんな分厚い本を読もうなんて気を起こすのは一体どんな顔の人だ?」と呆れていたが、もう呆れられなくなってしまった。とほほ。

京極堂シリーズ
姑獲鳥の夏
魍魎の匣
狂骨の夢
鉄鼠の檻
絡新婦の理
塗仏の宴 宴の支度
塗仏の宴 宴の始末




2005.05.08 Sunday 16:13 | comments(0) | trackbacks(4) | 
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2007.07.04 Wednesday 16:13 | - | - | 









文庫版 絡新婦の理 |京極 夏彦
京極堂シリーズ第5弾。1,374ページである。考えてみると京極夏彦のこの語り口自体が既に陰陽師である。言葉のワザを駆使して憑き物を落とす京極堂とやっていることは同じだ。喋っているか本になっているかの差だけである。読んでいる我々は皆幾分病んでいて、憑き物落と
| ミステリー倶楽部 | 2007/02/17 5:36 PM |
『絡新婦の理』 京極夏彦著 講談社ノベルス 1996
気がつけば今年に入ってから読んだ本はすべて京極堂シリーズ・・・ 彼は"憑物"の手...
| まろまろ記 | 2006/02/19 1:04 PM |
「絡新婦の理」(京極夏彦)
「じょろうぐものことわり」ですわ。京極堂シリーズ第5段であります。「魍魎の匣」ですっかり「木場修大好き」になったワタクシ、「狂骨の夢」「鉄鼠の檻」がどうもイマイチ乗り切れず、「これが面白くなかったら京極堂はもーええわ」の気分で読み始めた「絡新婦の理」
| 「いろいろ感想文」 | 2005/08/11 10:01 PM |
「絡新婦の理」京極夏彦
タイトル:絡新婦(じょろうぐも)の理(ことわり) 著者  :京極夏彦 出版社 :講談社ノベルス 読書期間:2005/05/09 - 2005/05/19 お勧め度:★★★★ [ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ] 当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな―二つの事件は京極堂をして
| AOCHAN-Blog | 2005/05/23 10:05 PM |