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2007.07.04 Wednesday  | - | - | 

『定年ゴジラ』 重松清 講談社文庫 (トラキチ)

定年ゴジラ(講談社文庫)
重松清〔著〕出版社 講談社発売日 2001.02価格  ¥ 730(¥ 695)ISBN  4062731096bk1で詳しく見る オンライン書店bk1

本レビューは『熱い書評から親しむ感動の名著』に掲載されたものの校正前の文章です。

今や"家族小説"のジャンルにおいては第一人者として不動の地位を固めてる直木賞作家の重松清さんであるが、本作は初期の重松さんの代表作とも言える連作短篇集で、初めて読まれる方にも是非手にとって欲しい作品である。
舞台は東京郊外のくぬぎ台ニュータウン。
新潟出身で、42年間銀行で働いてきて定年を迎えたばかりで暇をもてあそび途方に暮れている山崎さんが主人公。
くぬぎ台は大手私鉄の沿線開発の一環として造成されたニュータウンで、20年近い分譲時期に従って一丁目から五丁目までに分かれている。
山崎さんが住むのは二丁目であり25年間住み続けてきた。

個人主義に走る風潮が強い昨今、ニュータウンと言う戦後の高度経済成長を象徴する住宅事情に身を任せ、あくせく働き通し定年を迎えた主人公山崎さんを中心とした定年後の戸惑いとそれに打ち勝っていく姿をハートウォーミングな話で綴っている。

重松さんが本作を執筆されたのが33〜34歳頃だと思われる。
重松さん自身、ニュータウンに住んでいるために"思い入れの強い作品"なのであろう。語り口も三人称で滑らかだ。
まさに登場人物(60歳以上の男性中心)すべて、いわば重松さんの父親と同世代である。
読者はまるで自分の"数十年後"(30歳の読者であれば30年後)にエスコートされたみたいな気分にさせられる。

内容的には1話1話のエピソードどれも甲乙つけ難く素晴らしい。
第2章の「ふうまん」で岡山名物のまんじゅうに関する話。
くぬぎ台の開発を担当した散歩仲間の藤田さんが北海道に引越しする展開や、あるいは全国のニュータウンの実態を採点する第6章(くぬぎ台ツアー)なんかは社会風刺的な面もあって読ませる。
脇を固める登場人物も個性的である。特にバイリンガルみたいな転勤族の野村さんが印象的ですね。

重松さんの作品って読者に対して容赦しない点が特徴であるが、本作においても家庭レベルでの現実的な話からも目を背けていない。
例えば、主人公の山崎さんの次女の不倫問題や町内会長さんの二世帯住宅・嫁姑問題も大きな読ませどころとなっている。

もちろん本作は定年後の世代をターゲットとして書かれたのではない。本作の一番のセールスポイントは大半の読者が遠い彼方の時代だと思っている"定年後の生活"に現実感を持たせることによって、さらに読者の明日への活力を見出して行く点であろう。
"さあ、明日からも頑張ろう!"という感じかな(笑)

昔、坂本の九ちゃんが歌うとりましたやろ、上を向いて歩こう、て。わしら、下向いて歩いたつもりはないんやけど、前しか見とらんかったん違うかなあ。上を向いて歩く余裕のできたんて、定年になってからやなかったかなあ


大半の読者は"親のありがたみ"がわかり日常生活における"妻(夫)・子どもに対する愛情を養える"ものだろう。

主人公の山崎さんって非常に勤勉・実直・真面目な人物だ。
読者にとっていいお手本かもしれない。
仕事に終われ家庭を顧みる事も出来ないぐらいに働いた登場人物であるからこそリアリティーに富んだ作品となっていることは、読者の胸に焼き付けられたはずだ。
"老後"って相撲で言うと千秋楽みたいなものかもしれない。
せめて、千秋楽の日にで7勝7敗で迎えられるような人生を歩んでもらえたらと思って書かれたような気がする。

重松さんは"平凡に生きる事の難しさ・尊さ"を読者に教えてくれる。
なぜなら、重松さんの作品の芝生は決して青くないから・・・
でも作品の中で"ちっぽけだけどとっても暖かなエール"を送ってくれるのである。
本作を読んだ読者は必ずそのエールに酔いしれるはずである。
"人生における本当の幸せって何だろう"と模索してる時に、本作はきっとバイブル的存在になるであろう。

少し付け加えると、文庫版は「帰ってきた定年ゴジラ」が付け加えられている。
これがあるないでは読後感がかなり変わってくるので是非文庫版で読まれることをオススメしたい。

お若い方が読まれたら親父さんにも、年配の方が読まれたら息子さんにも読んでもらいたい。
そう言った読み方が出来る点が重松清の最大の魅力だと言えよう。
是非未読の方手に取って下さい。
きっとあなたの心に響く1冊であると信じています。

2004.11.06 Saturday 20:17 | comments(0) | trackbacks(7) | 
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