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2007.07.04 Wednesday  | - | - | 

『追憶のかけら』 貫井徳郎 実業之日本社 (でこぽん)

追憶のかけら
貫井徳郎著出版社 実業之日本社発売日 2004.07価格  ¥ 1,890(¥ 1,800)ISBN  4408534609bk1で詳しく見る オンライン書店bk1

これはミステリです。戦後間もなく自殺した作家・佐脇依彦の未発表原稿を偶然手に入れた主人公が、それを世に出す条件として、彼に死の謎を調べるという話。

この原稿にあたる部分が「手記」の形で作中作となっているのですが、これが実に素晴らしい。戦後間もないというので、旧字旧仮名遣いになっていて戸惑うかもしれませんが、非常に読み易くて引き込まれます。本編より読ませてくれるので、私なんか、ここで終わってくれても良かったのにと思ったくらいでした。また、この読み易いというのが実は……なのですが、おっと、これは言えません。

殺人や巧妙なトリックはないのですが、紛れもなくミステリです。終盤、話が二転三転、どころかそれ以上のどんでん返しがあって、一体何が真実なのかと心の中は嵐が吹き荒れますが、面白いですよ。超オススメです。
主人公の松嶋は、国文学者であり大学講師です。この男、例によって情けない駄目男で、彼のちょっとした行動から大喧嘩になり、愛想を尽かした妻は実家に戻るのですが、彼が言い訳をする間もなく、一週間後に交通事故で死んじゃうのです。

何も別居一週間で死ななくたっていいじゃないと、うだうだと鬱陶しい主人公。もう最初から、どよ〜んとした空気が漂ってきて、なんなの、このダメ男はっ!と、こっちのテンションは上がりっぱなしです。

まあでもね。可愛い盛りの一人娘の里菜ちゃんを、恩師であり義父でもある麻生教授にとられているのだから、愚痴っぽくなっても仕方がないわよね。だから、松嶋は娘を取り戻すべく、教授に認めてもらうためには目覚しい業績をあげないといけないのですよ。そのためにも何としても事件の真相を解くしかないんです。ちょっと頼りない探偵ですけどね。

過去と現在との事件が交錯して、松嶋が他者の悪意に巻き込まれてゆきます。捲る手が止まりません。見事です。人の悪意がこれほどまでに凄まじいものなのかと、思わず身震いしました。何者かに陥れられても気付かず、何故嵌められたのかも分からないまま過ごしているかもしれないなんて、ゾッとします。松嶋は、周りに翻弄されながらも、張り巡らされた悪意の罠に挑戦してゆきます。最後は、もう誰が真犯人なのか信じられなくなってしまいました。

やられました。

ラストシーンは感動的ですよ。

貫井さん、最高です。
2004.10.11 Monday 17:28 | comments(11) | trackbacks(16) | 
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2007.07.04 Wednesday 17:28 | - | - | 
でこぽん (2004/12/08 1:07 PM)
giants-55さん、こんにちは。
このミスベスト20を見ました。
昨年の「このミスベスト10」は納得できました。
全部読んでいたし、どれも良かったです。「月の扉」が微妙ですが。
今回は、なんじゃこりゃ、です。
いつから「このミス」は「本格ミステリベスト10」に変わったんですか。
納得いかない!納得いかない!
組織票?あるいは馴れ合いなんですか。
この中途半端な作品群はなんなんでしょうね。
まず、螢より生首が上なのが気に入らない。アヒ鴨もわけわからん話だったし。犯人はつまらなかったし。イニシエはベスト10落ちだし、なによりリピートが20位までにも入らなかったのは何故。唯一良かったのは硝子と臨場じゃないの〜。
そして一番気に入らなかったのは「追憶のかけら」がベスト20にも入っていないこと!でした。
それにしてもベスト10のうち半分しか読んでなかったというのは、寂しいです。
3位「天城一の密室犯罪学教程」、5位「銀輪の覇者」、10位「紅楼夢の殺人」って、題名も知りませんでした。
なんかもうどうでもいい気分です。ではでは。
giants-55 (2004/12/08 4:44 AM)
今年の”このミス”が発表されましたね。

 1位 「生首に聞いてみろ」       法月綸太郎
 2位 「アヒルと鴨のコインロッカー」 伊坂 幸太郎
 3位 「天城一の密室犯罪学教程」    天城一

正直、かなり意外です。「暗黒館の殺人」&「硝子のハンマー」のどちらもベスト3に入っていないとは。それよりも何よりも一押しだった「追憶かけら」がベスト3どころかベスト20にも入っていないのは不思議でなりません。やはり知名度とかも影響するんでしょうか。何かガッカリです(^o^;;;。
でこぽん (2004/11/20 3:41 PM)
blues54さん、書き込みいただきましてありがとうございます。
こちらこそ大変嬉しく思います。
書き込みは、もちろんメンバー以外の方も大歓迎しております。
トラバのほうもドシドシお願いしますね。

こちらの主催者はトラキチさんです。
誰でも参加できますのでよろしくお願いいたします。
blues54 (2004/11/20 2:40 PM)
はじめまして!でこぽんさん!
TBありがとうございました。中身が薄いので、なかなかTBされないので、ホント嬉しいです!(^^)

こちらのサイトはメンバーがそれぞれ書き込むんですね!
ブログビギナーなもんで、とまどっちゃいました!(爆)

貫井作品は「慟哭」ですっかり引き込まれ、ファンになtりました。「追憶のかけら」のラストは、ありがちなパターンではありますが、素直に泣けました!!

これからもよろしくお願いします。
でこぽん (2004/11/12 9:24 PM)
giants-55さん、こんにちは。

ご丁寧なコメントをありがとうございます。

このミスの話題から貴志祐介氏の『硝子のハンマー』にも触れていただき嬉しく思います。貴志氏の作品は全て読んだわけではありませんが、giants-55さんの1位、2位はまさにその通りだと思います。ただ、『黒い家』は個人的には好きではありません(^^;;;。貴志氏は細部に渡るリアルな描写が得意ですが、これは生保業界のことがよく分かる本という認識しかなく、ホラーというよりサイコスリラーという見方しかできなくてガッカリした覚えがあります。私自身が生保の保全の仕事をしていたので知っていることばかりだったというのが楽しめなかった理由のひとつでしょう。

『硝子のハンマー』ですが、確かに貴志氏お得意の理系的なディテールに懲り過ぎていたところがありましたね。しかも私自身は密室本があまり好きではないですし。しかし、これは介護猿や介護ロボットを使ったロジック、監視カメラとセキュリティの看破は実に良く書けていたと思います。ただ、第二部に入って犯人視点で自分の生い立ちや動機が語られてゆくところは、こちらのほうがリーダビリティはあるものの、本格ものとして読んでいた私としては、第一部の本格推理から離れていったのが残念でした。もちろんエンターテイメントとしては犯人に感情移入してしまうくらい読ませてくれましたし、また犯行方法を書いた箇所も見事で唸ってしまいましたが。ということで、このミスにはこれも押しますね。

『追憶のかけら』は東野圭吾の『殺人の門』に通じる心の内側のどろどろとした想いを表現していて捲る手が止まらなかったです。『殺人の門』も大好きな作品です。
この『追憶のかけら』はミステリの一押しの作品として、このミスの上位にランクインすることを信じています。

こちらこそ宜しくお願いいたします。
giants-55 (2004/11/11 9:43 PM)
初めまして。書き込み及びトラックバック有難うございました。

最初に読んだ貫井作品は「殺人症候群」でした。週刊誌の書評で、「”現代版必殺仕事人”とも言える問題作」と書かれていたのに惹かれて手に取ったのですが、重いテーマでありながら夢中になって読破してしまいました。それからは、症候群シリーズを始めとした貫井作品を読み耽っています。今回の「追憶のかけら」は従来の作風とは些か毛色の変わった作品で、かなり読み応えが有りました。受賞しようがしまいが、その作家さんが好きという事には何等変わりが有りませんが、御贔屓の作家さんが受賞して欲しいという気持ちも有ります。東野圭吾氏と同様、賞には縁がない貫井氏ですので、今年こそは”このミス”等で栄冠をゲットして欲しいものです。

貴志祐介氏の作品は、ミステリー好きの後輩から紹介して貰いました。定番の「黒い家」を最初に読んだのですが、作風に引き込まれました。それから、彼の作品は全て読みました。個人的なベスト3は次の通りです。

 1位 青の炎
 2位 クリムゾンの迷宮
 3位 黒い家

「青の炎」は読んでて泣けました。東野作品といい、こういった理不尽な切なさが余韻として残る作品大好きです。

「硝子のハンマー」は、貴志氏の久し振りの作品という事でかなり期待していました。東野氏の作風が好きな理由の一つに、理系的匂いが文章から滲み出ている所が有るのですが、「硝子のハンマー」もそれに似た匂いを感じました。唯、如何せん理系的なディテールに懲り過ぎて、トリック的に一寸無理を感じた所も(^o^;;;。そういう意味では、個人的にガッカリした部分は否めなかったです。

これからも宜しく御願い致します。
でこぽん (2004/10/14 10:52 PM)
ココさん、こんばんは。

書き込みまでしていただいて、本当に嬉しいです。
トラックバックはやってしまえば簡単なのですが、それまでが何とやらですね(笑)。
催促してしまってすみませんでした。そして本当にありがとうございました。

この本は、「悪意」がこれでもかと嫌になるくらい畳み掛けてきますから、平静ではいられませんでしたね。でもそれだけ気持ちが揺さぶられるというのは、結局、素晴らしい小説だと言えると思います。
本当に読み応えのある本でした。

だけど、だんだん松嶋の姿と佐脇のそれが重なってきたのですが、気のせいでしょうか。何だか似ているのですよね。何か理由があるのかしら。
ココ (2004/10/14 7:14 PM)
でこぽんさん、はじめまして。
トラックバック、コメントありがとうございました。

貫井さんだし、ちょっと読んでみようか・・・程度の気持ちで読み始めたのですが、
途中からそんな中途半端な気持ちはどこかへ飛んで行ってしまいました。
仰るように、ページを捲る手が止まりませんでしたね〜。
主人公の不甲斐なさにイライラさせられつつも、こんなに夢中になって読めるなんて、とっても幸せでした。

もっとたくさんの方に読んでいただきたいですね。
でこぽん (2004/10/13 10:54 AM)
マヨチンさん、こんにちは。
TB&コメントをありがとうございます。

この本は7月に読んだのですが、先日図書館へ行ったら新刊コーナーにポツンと置かれているのを見て、あらやっぱり分厚いし旧仮名遣いだし躊躇するのかしら、と思ってオススメ本として載せてみました。

ラストシーンは、本当にじーんときちゃいますよね。感動的でした。

もうすぐこのミスの時期ですし、いいところまでいくと思うのですが。

マヨチンさんのブログの方にもコメントをしましたので、よろしくお願いします。
マヨチン (2004/10/13 1:13 AM)
はじめまして!
トラックバックありがとうございます。
こちらからもトラックバックさせていただきました。

こちらは複数の人で本を紹介しあうブログのようですね。
面白い試みだと思います。なんだか楽しそうです。

貫井さんの本はいつもラストシーンが印象的です。
「追憶のかけら」もラストが素晴らしかったと思います。
でこぽん (2004/10/11 8:34 PM)
ゆこりんさん、こんばんは。
早速のトラックバックをありがとうございました。
これは478pの分厚い本だし、しかも「手記」以外は二段組なので、なかなか手に取りにくいですが、リーダビリティが抜群に高いのでさくさく読めますよね。是非皆さんに読んでほしくてお薦めいたしました。









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