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2007.07.04 Wednesday  | - | - | 

『僕たちの戦争』 荻原浩 双葉社 (でこぽん)

僕たちの戦争
荻原浩著出版社 双葉社発売日 2004.08価格  ¥ 1,995(¥ 1,900)ISBN  4575235016bk1で詳しく見る オンライン書店bk1

2001年9月11日、米同時多発テロがあった日に、フリーターの健太はサーフィンの最中に波にのまれてしまう。昭和19年の同時刻、単独飛行訓練中の吾一は意識がなくなり墜落する。二人は時代を超えて入れ替わってしまった……

どうも荻原浩とは相性が悪いし、前作『メリーゴーランド』もイマイチだったので、これもそう期待しないで読んでみた。あらら。むちゃくちゃ面白かった。泣き笑いのツボがドンぴしゃり、だったのよ。いや〜、これほど先が気になって捲る手が止まらなかったのも久しぶりだなあ。以下は感想である。
荻原作品はユーモアがあって読み易くて良いのだが、その明るさと軽さが私の好みと合わなくなってきたなあと思っていたら、今回は、19才のサーファー、健太がいい役回りで笑わせてくれた。タイムスリップしたところが海軍航空隊という殴る蹴るが日常茶飯事の場所。めちゃくちゃ暗くなりそうな場面でも、健太のひとり突っ込みが笑っちゃうほど可笑しくて、この作品を明るくしてくれたのが嬉しい。

何故だか同じ容姿の吾一のほうは、バリバリの軍国青年であるため、こちらも現代の若者から遠く離れた性格をしていて、比較すると面白い。と同時に、戦時中の若者の考え方が、当時としては仕方がないと思っても、なんとも哀しくて、同情してしまう。彼らも吾一と同様に、自分たちが命を捨てて守ろうとした国の五十年後の姿を知ったら、どんなに情けなく、嘆かわしく、腹立たしく思っただろうね。

終戦までの11ヶ月、それぞれの生活に染まってゆく様子が、交互に書かれていく。この手法はお互いの立場を際立たせていって面白い。吾一は現代の生活に楽しみつつも、健太のために、終戦の8月15日までには何としてでも帰ろうと思う。健太のほうは、だんだんと悲惨な状態に追い込まれてゆくが、ポジティブなので安心して読んでゆける。でもそんな本来なら有り得ない二人の生活が、当たり前のようになっていくのが、悲しいような、笑えるような、なんとも複雑な気持ちが残った。

同時期に横山秀夫の『出口のない海』が出ている。どちらも終戦間際の時代を扱っていて、人間魚雷「回天」のことが書かれているので比べてみるのも面白い。

ラスト近くで「正しい戦争なんて、どこにもない。戦死に尊いも賤しいもない」と健太が心の中で叫ぶのを読んだ時、唐突に、何故この本の年代設定がテロの日と昭和19年にしたのかが、理解できた気がした。
2004.09.23 Thursday 12:16 | comments(4) | trackbacks(9) | 
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2007.07.04 Wednesday 12:16 | - | - | 
でこぽん (2004/10/15 5:52 PM)
ココさん、こんにちは。

トラックバックとコメント、本当にありがとうございました。

続けて良い本を読まれたのですね。何とも羨ましいです(笑)。

この本は、健太と吾一が交互に語っていますから、その都度それぞれの立場になって考えてしまいました。未来の物質文明を享受できる吾一。過去に遡って自分のルーツを知った健太。また、それぞれの恋人への想い。読み進めるうちに、もうどちらに感情移入してもラストのことが気になって、最初のお気楽な気分が吹っ飛んでしまったものです。本当に、だんだん辛くなっていって複雑な気分でした。

ラストは、そうですね。あれで良かったと思います。

ココさんは、横山秀夫の『出口のない海』もお読みになっていましたよね。
↓に「本のことども」の聖月さんが、『出口のない海』をトラックバックしてくださっています。こちらも是非ご覧ください。興味深い語り口で圧倒されますから。それに泣いたそうですので。

それでは、また。
ココ (2004/10/15 3:20 PM)
でこぽんさん、こんにちは。昨日に引き続きお邪魔します。

続けて良い本を読みました〜。さっそく覚えたてのトラックバックをさせていただきました。

健太と吾一、それぞれがそれぞれの時代で経験したこと全てが、ラストに向けてどんどん辛くなりました。
でも、私はやっぱり現代人だなぁと思いました。
時代が時代なので、吾一や他の海軍の少年たちの御国のために・・・という考えは理解しますが、同意はできません。
健太のようになんとしても生きてやる、という気持ちを支持したくなります。
本当に複雑です。

読後、奥付を見たら8月15日発行でした。
なんだか胸がいっぱいです。
でこぽん (2004/09/27 9:36 PM)
さとたけさん、こんにちは。

コメントをありがとうございます。
「僕たちの戦争」は最近のヒットでしたね。
ラストも良かったと思います。

さとたけさんのブログはとても面白いですね。
雰囲気がとても良くて読んでて楽しくなります。

さとたけさんとは読書傾向が良く似ていて驚いています。
新堂冬樹の新作はファンの方には少し物足りないかもしれません。
私は軽く読めて楽しめましたが。

グロいといえば、最近読んだ戸梶圭太の「自殺自由法」は結構きましたね。面白くて私は好きでしたが。いつもラストがはちゃめちゃなのに今回は纏まっていたのにはビックリしました。オチも良かったですね。戸梶って評価はちっとも良くないんだけど、なんか癖になって読んじゃうんですよね。

舞城は読んだことないので今度読んでみます。

そうそう古川日出男の「ボディ&ソウル」が面白かったです。

また遊びに行きたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。

それでは、また。
さとたけ (2004/09/27 12:23 PM)
コメント&トラバありがとうございました。
さとたけと申します。自分もでこぽんさんのブログを拝見させて頂きました。非常に共感できる部分が多く嬉しかったです。初期の作品も良作ですが「僕たちの戦争」は自分もかなりの秀作だと思います。

新堂冬樹の「アサシン」は未読なんですが、面白そうですね。「銀行籠城」では新堂らしさがあまりなかったので拍子抜けしましたが(それはそれで良かったけど)「アサシン」はグロも健在のようなので楽しみです。別にグロ好きって訳じゃありませんけど。w









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