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2007.07.04 Wednesday  | - | - | 

『占い師はお昼寝中』 倉知淳 創元推理文庫 (のぽねこ)

占い師はお昼寝中
倉知淳『占い師はお昼寝中』
〜創元推理文庫〜

 昼寝が大好き、面倒くさがりの占い師・辰寅叔父のもとに、見習いアルバイトとして通う美衣子。叔父は、占いでは嘘八百を並べ、口先で客をまるめこむ。それでいて、事件(事態)は解決、あるいは良い方向に向かっていく−。叔父のぐうたらぶりにあきれながら、その洞察力や要領のよさに一目置き、そして訪れてくる「お客さん」を観察して社会勉強をする−。そんな美衣子が関わった、六つの事件。
「三度狐」一番目の「お客さん」は、一流会社の課長補佐。引っ越しをし、また社内で昇進の話が出た頃、身の回りで不審なことが起こった。ゴルフクラブの紛失、書類紛失、そして、枕もとにおいていた本の紛失。
「水溶霊」二番目の「お客さん」は、かっこいい女性。彼女のマンションで、ポルターガイスト現象が起こったという。
「写りたがりの幽霊」三番目の「お客さん」は、軽薄な男子学生。彼が写っている三枚の写真は、いかにも心霊写真のようであった。
「ゆきだるまのロンド」四番目の「お客さん」は、明るい主婦。自分が二人いるのではないか、そう疑問を感じずにいられない出来事が起こっているという。
「占い師は外出中」五番目の「お客さん」たちは、二人の老人。片方の老人の家に、血まみれの幽霊が出るという。
「壁抜け大入道」六番目の「お客さん」は、小学生の男の子。父親に盗難の疑いがかけられているが、自分は事件の夜、現場に、一つ目の大入道を見たという。
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2006.02.16 Thursday 21:08 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『恋せども、愛せども』 唯川恵 新潮社 (星落秋風五丈原)

恋せども、愛せども
唯川 恵著新潮社 (2005.10)通常24時間以内に発送します。

< 四者四様の 愛のかたち >

東京で脚本家を目指す28歳の高久理々子は、バイトで暮らしを立てている。同い年の姉・雪緒は、大手不動産会社の総合職でばりばり働いている。二人とも恋人がいて、結婚を前提にしないつきあいを楽しんでいた。そんなある日、彼女達の養母と養祖母が結婚すると宣言する。
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2006.02.04 Saturday 22:24 | comments(0) | trackbacks(1) | 

『火を喰う者たち』 ディヴィッド・アーモンド 河出書房新社 (星落秋風五丈原)

火を喰う者たち
デイヴィッド・アーモンド著 / 金原 瑞人訳
河出書房新社 (2005.1)
通常2-3日以内に発送します。


<奇跡を起こせし者の名は>

或る男が死に、世界史上有名な出来事が起こる。これらは、偶然同じ時期に起こった。この作品をよくあるファンタジーにしたければ、その偶然を、それとなく必然だと匂わせればよい。でも著者は、はっきりと二つを結びつける手法を取らない。オープン・エンディングといって、ラストの解釈を読者に委ねる手法があるが、デヴィッド・アーモンドの作品はラストばかりでなく、かなり幅広い範囲で、解釈を読者の想像力に委ねている。
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2005.10.09 Sunday 11:45 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『つめたいよるに』 江國香織 新潮文庫 (のぽねこ)

つめたいよるに
江國香織『つめたいよるに』
〜新潮文庫〜

 江國さんの短編が21編収められた短編集です。21編それぞれに紹介・感想を書くのは大変なので、まとめて。
 本作は、私がはじめて読んだ江國さんの本です。全体を通しても、二回は読んでいるはずです。
 最初の短編が、「デューク」。大好きだった犬、デュークが死んだ。翌日も、「私」はバイトに行かなければならない。けれども家を出たとたんに涙があふれ、泣きながら歩き、泣きながら電車に乗り…。そこで「私」は、ある少年に出会います。この作品は5,6回は読んでいるはずですが、やっぱり泣きました。初めて読んだときから、読むたびに泣ける作品です。
 「桃子」という作品は、江國さんのデビュー作だそうです。お寺に、一人の女の子が預けられます。ある僧が女の子と仲良くなり、その僧は日々邪念が増していき…。不思議な結末でした。恋愛の怖さ(?)が、寓意的に描かれているように思います。
 「草之丞の話」。これもなんだか不思議な話でした。
 不思議な話といえば、「いつか、ずっと昔」もどこか不思議な話です。一人の女性が、ふっと時間をさかのぼっていく。ずっと、ずっと昔まで。そのときどきの恋人たちと、お話をして。
 「スイート・ラバーズ」も、「いつか、ずっと昔」のような雰囲気の話でした。
 『つめたいよるに』は、前半が「つめたいよるに」、後半が「温かなお皿」というまとまりになっています。「スイート・ラバーズ」までが前半です。後半は、料理(食べ物)がモチーフになっています。
 「冬の日、防衛庁にて」。不倫相手の妻に会う「私」。妹のアドバイスを受けながら、身構えていく「私」ですが…。相手の妻である女性は、すごいなぁ、と思います。
 「とくべつな早朝」。この短編集のラストを飾る作品です。ある方から、とてもよかった、という話を聞いていて、その方からあらすじを聞いただけで、それは私が泣きそうな話だ、と思っていたのですが、しっかり泣けました。クリスマスイヴ、コンビニでバイトする大学生。好きな女性がいるのに、彼がちょっと休み時間をつくって電話をした相手は、その女性とは別の、女友達。心温まる話でした。

 あたたかい気分になれる作品が多い短編集です。
2005.09.07 Wednesday 11:44 | comments(2) | trackbacks(2) | 

『プリーストリー氏の問題』 A.B.コックス 晶文社 (星落秋風五丈原)

プリーストリー氏の問題
A.B.コックス著 / 小林 晋訳
晶文社 (2004.12)
通常2??3日以内に発送します。

<手錠のままの恋愛>

どうやら大英帝国のジェントルマンたる者は、「冒険願望があってしかるべき」らしい。
アガサ・クリスティーの作品に登場する、よろず相談引き受け人、パーカー・パイン氏の元には、毎日の単調な生活に嫌気がさした男が、冒険を求めてやって来ていた。しかし本編の主人公プリーストリー氏には、一向に冒険願望がない。三十六才にして友人からは「ペポカボチャ」「カサガイ」呼ばわりされるが、本人にとっては馬の耳に何とやら。このまま平穏な一生を送るかと思われたが、ある夜ピカデリーで見知らぬ女性に助けを求められるという、かつてない事態に遭遇する。うら若く美しき女性の願いを断れないジェントルマン、プリーストリー氏は求めに応じるが、なぜか彼女と二人、手錠につながれ殺人犯として追われる身に…。
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2005.08.30 Tuesday 23:37 | comments(2) | trackbacks(1) | 

『エディプスの恋人』 筒井康隆 新潮文庫 (のぽねこ)

エディプスの恋人
エディプスの恋人
筒井 康隆

 私立手部高校の教務課事務員となった火田七瀬。彼女は、就職してから、独特の「意思」の存在を感じていた。
 ある日。野球部の生徒たちが、騒然としていた。打った硬球が、一人の生徒の方へ飛んで。生徒の頭にぶつかる直前に、硬球はばらばらになって。球がぶつかりそうになった男子生徒は、何事もなかったかのように立ち去っていった。
「彼」だ―。七瀬は悟る。独特の意思を持っているのは、「彼」なのだ…。
 精神感応能力者(テレパス)である七瀬は、「彼」―香川智広のことを調べていく。彼の周辺で起こる超自然的現象。七瀬はそこに、「彼」以外の何者かの「意思」の存在を感じる。
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2005.08.28 Sunday 12:42 | comments(5) | trackbacks(1) | 

『ふしぎの国のレイチェル』 エミリー・ロッダ著 あすなろ書房 (星落秋風五丈原)

<豚は喜び 空駆け回る>

Dickory, dickory, dare,
The pig flew up in the air
The man in brown soon brought him down,
Dickory, dickory, dare.

これは、「豚が空に飛んでいったら男があわてて引き戻した」という意味のマザーグースの歌ですが、本当に豚を飛ばしてしまった人がいます。「リンの谷のローワン」シリーズの作者、エミリー・ロッダです。
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2005.08.27 Saturday 14:52 | comments(0) | trackbacks(1) | 

『黄色いアイリス』 アガサ・クリスティー ハヤカワ文庫 (星落秋風五丈原)

黄色いアイリス
アガサ・クリスティー著 / 中村 妙子訳
早川書房 (2004.6)
通常24時間以内に発送します。

相棒のいない名探偵なんて…

「あっ、わかった! そうだったのか。」
探偵小説には、前述のような台詞を口にする相棒がつきものだ。
彼等は大概、名探偵より数テンポ遅く事件の真相に気づき、いかに探偵の推理力が優れているかを際立たせる役割を負う、いわば引き立て役である。
しかし同じ引き立て役でも、探偵のキャラクターによっては、随分ばつの悪い思いをさせられる。とりわけ顕著なのが、クリスティーが生んだベルギー人の探偵・エルキュール=ポアロの友人にして医師、ヘイスティングスだ。彼はポアロに始終ロマンチストぶりをからかわれ、「西部の星盗難事件」(「ポアロ登場」収録)では、何とかよい所を見せようと余計な口出しをしたために、穴があったら入りたくなる思いをする。いくら友人といったって、そんな経験をさせられるのは、気分のいいものではないだろう。
一方、探偵は彼をどう思っているのだろう? 友人とはいえ、有効なアドバイスもできないのなら、いない方が推理がはかどるのでは?
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2005.08.20 Saturday 21:34 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『雪のかなたに』 スーザン・ヒル バロル舎 (星落秋風五丈原)

雪のかなたに
雪のかなたに
posted with 簡単リンクくん at 2005. 8. 8
スーザン・ヒル作 / 野の 水生訳
パロル舎 (2004.11)
通常2??3日以内に発送します。

<ランタンの灯りを絶やすなかれ>

「ゆうべ、雪がふった。」
このフレーズは、プロローグで六度、エピローグで二度繰り返される。
「と、思い出の波が寄せてきた。」という言葉と対になって、あるいは単独で。
この物語の主人公ファニーが、雪と共に思い出すのは、
「Lanterns across the snow」-雪のかなたのランタン。
それは凍りつくような寒さの中で、家の中の家族を照らした本物のランタンであり、そして、暖かみのある所-家、更には家に集う人々の象徴でもある。
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2005.08.08 Monday 06:45 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『こどもの体温』 よしながふみ 新書館 (星落秋風五丈原)

こどもの体温
こどもの体温
posted with 簡単リンクくん at 2005. 8. 2
よしなが ふみ著
新書館 (2002.6)
通常24時間以内に発送します。


<常に変化する 体温も 家族も>

妻を亡くして、名門私立中学に通う息子・紘一と東京で暮らす38才の作家・酒井高紀。ある日、紘一がこう切り出した。
「俺 クラスの子を妊娠させたかもしれない」相手の女の子を病院に連れてゆく事になった高紀だが…。
高紀と紘一親子が主役、或いは脇役として登場する短編集は、この表題作で始まる。
料理の書き込みが多い事で知られており、代表作になった『西洋骨董洋菓子店』は、まさに料理のオンパレードだ。今回もコマコマと書いてくれる。宵越しの金を持たない弁護士は有名レストランで「仔羊とボルチーニのリゾット」を同伴女性と食べ(『僕の見た風景』)、父子家庭の酒井家での、ある日の夕食は、けんちん汁と春菊のごまあえ(『踊る王子様』)。料理は、何を作り何を食べているかで、その人の生活が向こうに見えてくる。
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2005.08.02 Tuesday 06:01 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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