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My Recommend Books !みなさんのオススメの本を熱く語り合いましょう!
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司馬遼太郎の日本史探訪(かいくん)
司馬遼太郎の日本史探訪 司馬遼太郎著 8点 NHKの「歴史探訪」と「新歴史探訪」で放映されたものを文庫にまとめたものです。 「源義経」、「楠木正成」、「織田信長」から「蝦夷地開拓史」まで広い範囲の日本史を取り上げて独自の司馬史観で解説しています。 かいくんは堺屋太一のファンです。だから歴史物はどうしても堺屋太一と比較してししまいます。 堺屋太一が経済の専門家らしく、その時の情勢や状況から歴史を見るのに対して、司馬遼太郎は、その当事者の性格などの個々人の資質から歴史を見ているのですね。 だから同じ石田光成の事を書いても堺屋太一であれば、 「徳川家康に対して力が数段見劣りする石田光成でも、まだくすぶり続ける徳川への反抗心と、豊臣家への忠誠心を利用して関ヶ原の合戦まで持ち込んだ。」となるのですが、 司馬遼太郎だと、 「石田光成という人はどこか正義感の強い人で、秀吉が死んでからの家康の手のひらを返すような豊臣家への態度が、どこか許せなかったんですね。」となる。 ご存知の通り二人とも原作がNHKの大河ドラマに何度も登場している歴史の巨人なので、的外れのことを言っているわけではないのですが、その印象が全然違ってくる。 この違いが面白そうなので、ちょっと司馬遼太郎も読んでみようかと思っています。 もう「新撰組血風録」を買ってしまいました。 かいくん
『海と毒薬』 遠藤周作 新潮文庫 (かいくん)
遠藤 周作 / 遠藤 周作〔著〕 / 遠藤 周作〔著〕 / 遠藤 周作〔著〕 / 遠藤 周作著 新潮社 (2003.5) 通常2〜3日以内に発送します。 「神なき日本人・・・」この小説の解説の一文です。 あまり日本では語られていませんが、海外では「神=倫理の根底をなす物」といわれ、神なき日本人とは倫理がその時の状況・雰囲気で揺れ動いてしまう国民だと思います。 この小説の中でも、最も高い位置にあると思われた「人を殺してはいけない。」という倫理観が、脆くも組織の論理の前に崩壊してしまった。 この日本人の性質は今でも連綿と受け継がれていると思います。 戦後は組織社会として社会は比較的安定していて、それ故日本人の倫理観も安定してきた。しかしここ十年組織社会は崩壊に向かい、今までの倫理観は崩壊しつつある。もう既に現われはじめているが、立場々々によって倫理の相違が起こりつつある。 その社会に対して自分はどう塊??峙していくか? その心構えの為にも今読むべき一冊だと思います。
『私が語りはじめた彼は』 三浦しをん 新潮社 (かいくん)
山本周五郎賞候補に選ばれたという事なので。 私が語りはじめた彼は 三浦しをん著 9点 常に新しい愛を貪り、他人を顧みない歴史学者の村川教授。彼の前妻、浮気相手、実の子供、再婚相手の娘、師弟関係にある講師が彼を語る。 村川に愛を求めた女は、彼の愛を得ようとして試行錯誤を繰り返し、ライバルを蹴落としに掛かる。時には自分の娘にさえ村川を奪われるという恐怖心を抱き、その排除に乗り出す。 そして当の二人の周りの人間は、それに振り回され人生を壊していく。 愛はもちろん素晴らしい事であるのだけど、その反面でエゴをむき出しにした醜い側面を持っている。そして愛は時間が経つにつれ、醜い側面を増していく。 この世のほとんどの人は愛がそのように形を変える前に、愛の比重を薄め、そのかわりに子育てや重い住宅ローンに絆を求めていく。 しかしそれを行おうとはしないで、常に愛を求める人がいる。それが村川であり、その不倫相手です。 この小説は素晴らしい愛などかけらも登場しない、負の愛の物語です。 読む方はそう思って読んでください。
『みどりの月』 角田光代 集英社文庫 (かいくん)
私はたまにぼうっとしてしまう。その時、私はなぜ私であるのか、なぜここで小学生をしているのか、そんな疑問が私に押し寄せてくる。そんな疑問を持つ私は、あるきっかけで周りのみんなと同じ行動をするように、明日の予定を日記につけて決めてしまい、予定通り行動する子供になってしまった。 その習慣をずっと保ったまま大人になり、たまに予定を脱線し、それを修復しながら生きてきた。
『インディゴの夜』 加藤実秋 東京創元社 (Nakatz)
インディゴの夜 加藤 実秋 クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに――フリーライターの高原晶が何気なく呟いた一言がきっかけで、ホストクラブ<club indig>は生まれた。そして晶は、知り合いの編集者・塩谷と共に店のオーナーとして名を連ねることとなる。敏腕マネージャー・憂夜の助力の甲斐もあり、経営は順調に進む。が、いつしか店の周囲では、様々なトラブルが起こり始める……。
『太陽の塔』 森見登美彦 新潮社 (かいくん)
太陽の塔 森見登美彦著 12月24日、森本以下5人の真面目なモテない戦士が、クリスマスファシズムに立ち向かう。結果はいかに? この物語を読み始めると、あまりの頭の固さにやや違和感を持つ。 中盤ではその固い頭に押しつぶされた自分の本音が見え隠れして、思わず笑ってしまう。 最後は自分のその滑稽な生き方に結論を出している。 私も京都のもてない大学生だったので、だからこそかもしれないが、真面目すぎる理想と、抑えきれない欲求の狭間でもがき苦しんでいる秀才が、とても微笑ましく思えました。(断っておきますが、京大生ではありませんでした。) 自分が少しでも真面目すぎると思える方は、一度読んでみてはいかがでしょうか?
『ジョッキー』 松樹剛史 集英社文庫 (ONE)
第14回小説すばる新人賞受賞作。 その昔、京都競馬場を私の戦場としていた時に、そこの伝言板(今となっては懐かしい響きだ)によく書き込まれていて常に気になっていたグループ名だかサークル名だかがあった。その名は「マイナージョッキー研究会」。推測するに1日1鞍乗れるかどうかの騎手のことを研究していたのではないかと思う。本書に登場する主人公・中島八弥もまさにそんな境遇に置かれた立場のジョッキーであり、マイナージョッキーならではの苦労が緻密に描かれていたと思います。しかも、自分の所属厩舎に有望な若手が入ってきて乗る馬をごっそりと持っていかれ、半ば追い出されたも同然に生活の保障されてないフリーの騎手にならざるを得なくなってしまいます。彼が生活していくにはレースに乗らなければならない→しかし、自分の信じた道を進みたい→例え有力馬が回ってきても馬優先に考えてしまい、オーナーの言うことを聞かないが故に乗る馬が減ってしまう→結果、生活費がカツカツという悪循環に陥ってしまいますが、それだもへこたれない精神力には脱帽しました。
『カレーライフ』 竹内真 集英社文庫 (Nakatz)
病床にあった父親から、ケンスケはある土地の権利書を渡された。そこには、ケンスケの祖父がかつて洋食屋を営んでいた店があった。ちょっとした親戚の集まりがあると、孫たちに決まってカレーを振る舞ってくれた祖父が亡くなった時、ケンスケと彼のいとこたちは、こう約束した……大人になったらカレー屋をやろう、と。父親はそれを、どうやら覚えていたらしかった。が、当のケンスケ自身は、そんな約束の存在すら忘れかけていたし、他のいとこ――サトル、ワタル、ヒカリ、コジロウの4人も、果たして覚えているかどうか。やがて父親は亡くなり、ケンスケにはカレー屋を開くための土地が残された。父親の遺志を継ぐ、というほど大袈裟なものではないが、ともあれケンスケは、カレー屋開業のための準備をすることを決心する……。
『しゃべくり探偵』 黒崎 緑 創元推理文庫 (Nakatz)
「今回取り上げるのは、『しゃべくり探偵』という作品だって」 「なにやら、変わった感じのタイトルだな」 「確かに気になるタイトルではあるね。しかも副題に、『ボケ・ホームズとツッコミ・ワトソンの冒険』とあるから、このタイトルを見た人は、作品に対する興味がかなり湧いてくるんじゃないかな」 「ボケとツッコミ……というと、まさか?」 「そう、その通りだよ」 「ホームズものを漫才に仕立て上げてるってことか?」 「……微妙にずれてるよ、それは」 「夕焼けホームズでーっす! 小焼けワトソンですぅ! 三波春夫でございます……ってところで、ホームズとワトソンが頬を叩くというのがお約束だね」 「何で3人に増えているんだよ!? しかもパクリだし」 「そういや、レッツゴー三匹のあの真ん中の人、なんて名前だっけ?」 「知らないよ!」 「もう、お前の話に付き合っていると、いつまでも本題には入れやしない。いいや、俺が勝手に進めるよ」 「おう、よろしく進めたまえ!」 「……はいはい。『しゃべくり探偵』は短編集で、”番犬騒動”、”洋書騒動”、”煙草騒動”、”分身騒動”の4作品が収められているんだ。で、それぞれの作品の中では、ちょっとした事件が起こる。この事件に遭遇してしまうのが『ツッコミ・ワトソン』こと和戸君。そして事件を推理してみせるのが、『ボケ・ホームズ』こと保住君」 「なるほどね、ワトソンと和戸、ホームズと保住と、微妙に駄洒落になっているんだな」 「それだけじゃないんだ。『ボケ・ホームズと〜』という副題が示すように、実を言うと、物語は基本的に漫才っぽく展開されているんだ」 「漫才っぽく?」 「うん。なにしろ、それぞれの作品には、いわゆる”地の文”というのが殆どない。保住と和戸の会話だけで構成されているんだ。ユーモア性を持ったミステリは珍しくないけど、ここまで徹底して漫才っぽい作品は、これくらいしかないんじゃないかな」 「じゃあ物語は出だしはいつも、『夕焼けホームズでーっす!……』」 「いい加減、そこから離れろよ! 間違っているんだから!」 「じゃあ、『♪犬の散歩をしてやるだけで、50万円稼げるよ、って言うじゃな〜い?』と」 「違うよ! 『番犬騒動』の内容をちょっと紹介してるのは認めるけど、でもパクリな上に、元ネタが漫才じゃないだろ!」 「残念っ!」 「うるさいよ! ていうか、お前が切腹しろ!」 「最初に短編集とは言ったけど、でも4つの短編を通じて存在する謎も、この作品にはある」 「ミステリの短編集にはよくある構成だな」 「だからある意味、連作っぽいところもあるんだ」 「なるほどね。1粒で2度美味しい、というやつだ」 「そう、だからかなり楽しめる作品だね」 「それでもって、ページを破れば折り紙まで楽しめる。つまり、一石三鳥!」 「そんなことするな!」 「ああ、ごめん……」 「分かってくれればいいよ」 「いや、この本、340ページくらいあるから、一石三四ニ鳥の間違いだった」 「それすら間違っているよ! ていうか根本的に間違ってる!」 「とはいえ、これはな……と思える部分がないこともない」 「紙が長方形だから、鶴が折りづらいんだよな」 「だから折り紙にするなよ! 物語そのものは、和戸が自分の体験した奇怪な出来事を話すところから始まって、それを保住が推理する、という形で展開されていく」 「ああ、『人間椅子探偵』ってやつだな」 「『安楽椅子探偵』だよ! 微妙にマニアックなボケをするな! だからそのせいか、保住の推理にちょっと、我田引水っぽいところを感じてしまう」 「ご都合主義、と言いたいのか?」 「いや、それは明らかに言いすぎだよ。全体的な推理そのものは、なるほどなあと思えるものだったしね。ただ読む人によっては、その推理でいいのかな……と感じてしまうんじゃないかな」 「それはそうかもしれない」 「でも、他の『安楽椅子探偵』ものの作品にも、そういうことが感じられなくもないものがあるから、このこと自体はそれほど強く問題にする必要はないかもしれないけど」 「つまりは、”安楽”な心地で読んで下さいってことか」 「うーむ、上手いんだか下手なんだか分からないボケだなあ」 「安楽でいいっす(椅子)よ、ってことで」 「下らな過ぎるよ、その駄洒落は! いいかげんにしろっ!」
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